VOID 後日談SS シナリオ未通過は見ないでね
1人の旧型ボイドが20歳の男女に話しかけている。
"これは120年前にあった話なんだけどね。
君たちのひいお婆ちゃん、ひいお爺ちゃんにあたるニトとリトが11歳の頃。そう、まだボイドに人権が認められてなかった頃かな。
とある二人の刑事がいたんだ。
そのふたりの刑事は親しくてね。
片方は無愛想だけど頼れる男性刑事のキョウさん。
片方は少し強引だけど優しい女性刑事春野さん。
二人はもちろん、キョウさんの妹さんも含めて仲が良かったみたいなんだ。
けれど、ある日ね。
とある事件に巻き込まれて、妹さんが連れ去られてしまったんだ。
それから、キョウさんは刑事をやめて何も教えずに春野さんの元から離れてスパロウで活動をするようになった。それを春野さんは悲しんだ。
それから10年後、スパロウは倉庫に眠ってたボイドを発見する。
これは使えるかもしれないと思ったんだろうね。キョウさんは、そのボイドをかつて務めていた警察署に送り込んだんだ。そして、そのボイドは見事に警察署内に潜入して、春野さんとバディを組むことになる。
その後、いろいろあって、
そのボイドを通じてキョウさんと春野さんは再開できて、
妹さんがさらわれた施設まで辿り着くことが出来た。
けれど、最悪なことに施設には罠が仕掛けられていたんだ。
大量の爆弾だった。
一緒にいた皆も含めて必死に出口に走った。
あともう少し……!もう少し!
そんな時にキョウさん達は瓦礫に邪魔される。施設に取り残されたんだ。
春野さんはどうにか出来ないか頭を巡らしたようだけど難しかった。
爆発が終わって戻ってくると……キョウさんは亡くなっていた。
スパロウの初代リーダーは罠に嵌められて亡くなった。
キョウさんは春野さんに結婚をお願いしていたみたいなんだ。
春野さんはそれを悲しんだ。
この犯人を殺したら、自決しようと思っていたらしい。
それから、歴史の教科書に乗ってある薬散布事件が起きた日かな。
事件の黒幕を追い詰めた後に、春野さんはボイドとなったキョウさんの妹ココロさんに出会うんだ。もう少し生きて欲しいと言われて、春野さんはキョウさんが居ない日々を生きることになった。キョウさんのことを思い出して辛い日々もあっただろうけど、キョウさんが残したボイドに料理の作り方を教えてもらったりして、生きることに向き合おうとしたんだ。強い女性だったよ。そして、彼女は長く生きて寿命で亡くなった。
きっと二人は天国で結ばれていると思う。
そうであって欲しいんだ。
これがスパロウ初代リーダーキョウさんと、
そのパートナーである春野さんのお話だよ。
おしまい。"
「さて、そろそろ私はマネージャーの仕事があるから帰るね。
歌声は世界を救うからね!
それじゃあね!未来のマッドサイエンティストと、未来のハッカーたち!」
もう二度と、同じような過ちを犯したくない。
子供たちには純粋に前を向いて生きて欲しいんだ。
施設の子たち、スパロウのみんな、公安局刑事課のみんな、、
私はこの子たちの成長を見届けられるのが幸せです。ありがとう。
これが私たちの選択で掴み取った未来だよ。