185話の尾形の一考。思考メモみたいなものでまとまりがない上に長い。恥ずかしくなったら消しておきます。。。
前置き
185話の感想を色々拝見させてもらってると、尾形の解釈が本当に多様なんですよね。私はというと正直尾形の言動に「こうに違いない」という確信に近いものは持ててないため、色んな意見を見ては「それはわかるなあ」「そうは私は思わないな」などと思考をふらふらさせています。
来週は本誌はお休みということで考える時間があるので、私も自分なりに185話の尾形の意図を考えて文章化してみようと思いました。展開予測やきっとこれが原作尾形の真意だと考察する、というものではなく思考実験のメモのような感じです。このパターンだったらこういう可能性が考えられるのでは、みたいな。
作中の尾形が絶対にこう考えている…!と思って書いているものではないので出だしから解釈違いだと思われたら読まないことを推奨します。なんなら私自身「こうであってほしい」と思って書いてるかというとそうでもなかったりするので(難儀すぎる)
前置き以上
まずは185話の尾形とリパさんの会話の尾形の言葉に基本的に嘘はないとした場合の話
嘘はそんなに多くないのではないか〜というのは別のツイートでも言ったのですが、嘘だらけにするのであればもっと作り話をして矛盾のない話にできるんじゃないかなーと感じたのがまずある。
嘘はそこまでついていない。だけど隠していることもある。
それが「金塊丸ごとなんていらない」「アイヌのことはキロランケソフィアに任せればいい」←→キロランケソフィアから離れて自分一人で暗号の鍵を教えてくれ、と頼む という矛盾となって現れた、という考え方。
まあ私も前半の尾形さんのアシリパさんに手を引いてコタンで暮らすよう提言する言葉には、そんな真っ当な大人目線の発言をするタイプだったっけ!?と一瞬驚かされたんだけど、考えてみるとこれまでも
「あの戦争で拾った命はカネに換えられんぞ(だから金塊争奪戦から手を引け)」(1巻5話)
「俺のような精密射撃を得意とする部隊を作っておけばあんなに死なずにすんだはずだ」(5巻44話)
「一矢報いるだけが目的じゃアンタについていく人間が可哀想じゃないか?」(8巻70話)
と、人死にや戦いによる犠牲は「ない方がいい」「少ないほうがいい」という姿勢の発言は繰り返しずっとしてたんですね。
だから、「今までを考えるとあり得ない、らしくない言葉」というわけでもないのかなと感じた。
むしろ一貫したスタンスとも言える。
尾形は前述の5話で杉元に対しても最初に「どれだけ危険な博打に手を出しているのかわかっておらんのだ」「さっきの死体はおとなしくこちらに渡したほうがいい」と言っている。最初から杉元をヘッドショットするのではなく、囚人の方を撃った。捕らえられている囚人と軍帽の男とアイヌの子ども。確実に不意をつける初撃に、最効率を考えれば杉元の頭を撃ち抜いた方が確実ではないかと思うんだよね。囚人の刺青の模様を書き写している軍帽の男って時点でまったく無関係な一般人ではないと判断できると思うんだけど。でも、そうはしないでまず対話をして「手を引け」と声をかけた。杉元は引かなかった。
谷垣にも造反組殺しの誤解が解け、アシリパさんに「谷垣はマタギに戻りたがっていた」と聞いたのちに「秋田に帰れ」と言っている。谷垣は帰らなかった。
網走で杉元と谷垣を撃つことに躊躇がなかったのは、尾形視点「金塊争奪戦に関わり続ければ撃たれる、命を失うことになる。その覚悟はあるのか。手を引いた方がいいのではないか」の問答を終えていたからなのではと思っている。
尾形なりの筋を通しているというか。
アシリパさんに対しても同じことを適用して185話だったのだろうか。
のっぺらぼうの娘であり暗号の鍵を知り得るのは彼女だけという立場上、金塊争奪戦から下りるのはアシリパさん個人の意思でどうにかなるものではなかったのでこれまで「手を引け」のモーションはかけなかった。しかし、暗号の鍵を思い出したのならそれを他者に託してアシリパさんは下りるという選択肢が初めて生まれる。だからそれを提案した、という…?
この場合疑問点が2点あって、
第1に元々アシリパさんだけが暗号の鍵に辿り着き得るというのはのっぺらぼうがもういないからなんですよね。のっぺらぼうがいるなら、暗号の鍵をどころか真実をのっぺらぼう自身に語ってもらった方が早いわけで。
だけど網走でのっぺらぼうを撃つことでその可能性を消してしまっている。
網走前でも娘である以上鍵を知る可能性があるので、無関係ではいられない立場だからどちらにせよ「手を引きまーす」「わかった!これでアシリパさんは金塊争奪戦とは無関係!」で済む話ではないけど。
この疑問点に対する解答案としては、あのままではおそらく網走でのっぺらぼうが鶴見陣営に確保されていたというのが理由の一つなのかなと。片脚の腱を切られたのっぺらぼうと、負傷して身体を引きずっている杉元が正門に辿り着きアシリパさんや白石キロランケと合流し師団から逃げ果せる確率は極めて低いと判断した、という。
そもそもキロランケから狙撃の合図が出てもいるし。
尾形にとってキロランケと組むことにどういう旨味があったんでしょうね?未だにいつ、何故尾形とキロランケが手を組んだのか明かされていないままに尾形がキロランケからも隠れて暗号の鍵を聞こうとしているという状況である。
それは一旦置いておくとして、つまり、尾形にとって「鶴見陣営が金塊の在り処にチェックメイトをかける」を避けることがより重要課題であったため、が解答例になるのかなって
それがおそらく185話で尾形がアシリパさんに「嘘は言っていないが、隠していること」に繋がってきそうかなと。
なぜ鶴見中尉陣営に金塊の在り処に辿り着かれては困るのか、尾形の目的。
疑問点の2つ目というか、懸案として、アシリパさんが尾形に暗号の鍵を教え、「下りたい」という意思を見せたとして、やっぱりアシリパさん自身が暗号の鍵を思い出し金塊の在り処に辿り着く可能性は消えないので金塊が見つかるまで他の陣営にとってのアシリパさんの重要性は消えない(金塊争奪戦から下りれない)のでは…という点。
これも以前別のツイートで言ったんですが、尾形、とことん「人皮の収集」に対する関心が薄いように思える。
金塊に執着するのなら暗号の鍵を知るのと同様に人皮が手元になければ意味がない(と推定される)のに。
その時考えたのが
①理由は置いておくとして、アシリパさんの行動・決断には注目しているが金塊はどうでもいい
②人皮の収集には別の算段があり(組んでいる他者がいる等)、尾形の任務はアシリパさんが暗号の解読方法に辿り着くのを見張ること
③人皮の情報は見ればもう頭に入ってる
だったんですが、なんかこのへんと繋がってくる気がする。
「暗号の解き方を教えてくれればアシリパもこの殺し合いから『上がり』だ」
「ここまで命をはって戦った分の報酬が欲しいだけだ」
アシリパ“も”。
この仮説は尾形が185話で嘘を言っていないと考える仮説なので、ここも本当だと考え辻褄を合わせると②寄りな気がしてきた。
尾形の「任務」は暗号の解き方に辿り着くことまでで、それを果たせばその分の報酬を得て尾形は「上がり」、人皮の収集や金塊の在り処に辿り着く算段は他の人間…あるいは組織がつけていて、暗号の鍵さえわかれば実行に移す用意がある。だからアシリパさんも「上がり」、と辻褄を合わせてみる。
そうすると尾形は本当にまったく「嘘」を言っていないのでは…?
実行に移す用意ってなんやねんどんな方法で散らばっている刺青を一気に入手する算段が…?とはなりますけど
ふと思ったのは犬童というか網走監獄側は囚人の刺青の写しを作ったりする発想はなかったんですかね。それだと脱獄前からすでに全員分の刺青の情報が存在することになるんだけど。
でも監獄で写しを作られていたら囚人がそれを知ってるよなあ。
思考がずれてきた。
繰り返しになりますけど、これ「こうだと予測する」でも「こうだといいなー!」でもないんですよね。
この仮説を突き詰めていくとどうもやっぱ尾形の背景に中央だったり他の組織が見えてくるんだけど、個人的な期待を言うと尾形の背景には「それは想定してなかった!!!」と驚愕し、しかし「ああ、彼らしいなあ」と納得したいんですよね。ハードルが高い。
今回の焦点は「185話で尾形の話に嘘がない場合、どのような辻褄が考えられるか」なので、それを聞くアシリパさんの受け取り方についてはこの文の中では意図して論点に含めていないです。
尾形の185話発言が(ほとんど)嘘でない場合の話の辻褄は今のところこんな感じかな〜〜
「まったく本心でなかった場合」についても考えてるんですけど、余力があれば文章化を試みたい…
2週間あるのでまだまだ色々考えたいし、気持ちも変わりそうだなあと思っています。
もし読んでくださった方がいらしたら、ここまでまとまりのない思考のメモに目を通していただきありがとうございます。
へへ…金カムおもしろい…