ションエミと少しだけジョンケイ。短い文章。もやっとするショーン。同期会発足~
「こんばんは、ジョン」
「おおケイト! 用もないのにこっそりとくるなんて俺は夢でも見てるみたいだ!」
「ジョン様、今日はケイト様たちとだけの小規模な同期会の日ですよ」
「そう。もしかして寝ているの?」
「うぐっ……ちょっとだけ忘れていたぞ」
「うふふふ。なんだか楽しいですね!」
「エミリコ、声が大きいぞ」
発足した同期会。しかし全員が集まることは難しかった。だから、一緒にいてもケイトにしてみれば不本意ながら話しかけられることが多いジョンと日にちを決めて、二対だけでときおり情報交換をしていた。
立ったまま手早く情報を交換していくも、特に目立ったことや真新しいことはなく、二対は溜息を吐くよう顔をした。
「難しいですね……」
「簡単にはいかないさ。少しずつでも慎重に、だ」
「ルイーズはちゃんとやってくれるかしら。リッキーとパトリックも……。無理には巻き込まないつもりだけれど」
ぽつりとケイトが弱気な言葉を漏らした。それを聞き落とさなかったジョンは大きく両手を広げてみせる。
「大丈夫だ! 俺がついてるぞ! ショーンだってエミリコだっている。 それにもし敵が襲い掛かってきても必殺のジョンパンチで倒してやる!」
ジョンは軽く拳を振ってみせた。しかし思ったよりも勢いがつきすぎ、よろけて転びそうになってしまう。
「危ない!」
近くにいたエミリコがジョンを受け止めようとするが、素早い動きでショーンが先にジョンを受け止めた。しかし距離が離れていたので受け止めながらも床へと転がってしまった。
「……ジョン様、調子に乗りすぎです」
「悪いな、ショーン。痛くはないか?」
「ショーン、大丈夫?」
「ケイトが俺じゃなくてショーンの心配をしてる!」
「あなたのせいだもの。ジョンも大丈夫?」
言葉とは裏腹に優しげな声色でケイトは言った。ジョンはすぐに起き上がり、俺は強いから大丈夫だ! とまた格好をつけ始める。
「大丈夫ですか、ショーン。ケガはありませんか?」
心配そうにエミリコはしゃがみ、ショーンを心配そうに見た。
「ふう……まったくジョン様は。ああ、大丈夫だよ。ちょっと倒れただけだ」
「わたしでも受け止められたのに、急にショーンが飛び込んできてびっくりしました!」
「あぁ……体が勝手に動いてたんだ。それに」
「それに?」
ショーンは一瞬視線をずらし、立ち上がった。つられてエミリコも立ち上がる。
「いや、なんでもないさ」
あのままだとエミリコがジョンに抱き着く形になると思ったら体が勝手に動いたんだ、とはなぜか素直にショーンは言えなかった。