うづきけ、そのさん「美佐子さんは癒したい」
「あれっ? 彼氏くんなんだか疲れた顔してる~?」
(ええ、まぁ)
「それじゃあ~、みさみさが癒してあげましょうか?」
「膝枕~♪(ポテッ」
(えっ)
「ちょっとみさみさちゃん!」
「あれ?どしたのぴょんこちゃん?」
「彼女がここにいるんですけどっ」
「うーん…でもみさみさも凄いんだよ~?」
「凄いからダメなの!」
「え~」
「じゃあじゃあ、彼氏くんに決めてもらう?」
(ええっ)
「そんなのもちろん私だよねー?ねっ?」
「なんてったって、カノジョだし?」
「あーカレシに膝枕してあげたいな~(ジロリ」
「めっちゃしてあげたいんだけどな~(ワカッテルヨナ?」
「彼氏くん、みさみさに膝枕してほしいでしょ~?」
「おいでおいで~♪(ミサミサ~」
(…普通に考えれば神楽だろう)
(彼女だし)
(というか美佐子さんは彼女のお母さん)
(彼女の前でその母親に膝枕してもらう)
(はっきり言って異常だ)
(――しかし)
(神楽には近いうちにまたしてもらえるかもしれない)
(彼女だし)
(美佐子さんに膝枕して貰えるのは…)
(今…だけ?)
(いやだが、この場で神楽より美佐子さんを選ぶのか?)
(いや待て)
(考えろ…)
(考えるんだ…)
(ここは――ッ!)
「ああもうっ!」
「それなら私がママに膝枕してもらうっ!」
「わっ、ぴょんこちゃんもして欲しかったの~?」
「いいよ~、じゃあぴょんこちゃんね~♪」
(えっ?)
「うわすごっ、みさみさちゃんのすごっ!」
「でしょ~? みさみさ凄いでしょ~?」
(そんなに!?)
「ぴょんこちゃんよしよ~し♪」
「あ~~…」
(そんなに…)
「ラノベ主人公の気持ちわかる~…」
(わかりたい…)
「みさみさちゃんすごすぎ~♪」
「ぴょんこちゃんもまだまだ甘えん坊なんだから~」
(……あの……)
「よーしよしよし♪」
「ふわ~…」
(…………)
(それからは二人が仲良くスキンシップしているのをひたすら眺め続けた)
(……うん)
(普段は母親に素直に甘えたいと言い出せない神楽にはいい機会だったのかもしれない)
(そう考えると、二人に膝枕してもらえなかった事にも全く未練はなかった)
(なかった)