2019年11月9日
「第3回ミステリー作家トークショー&サイン会 in 佐賀市」のレポ(ハイライトではない)
約1万文字(ありがとうふせったー追記)。うち5%くらいはオタクの気が狂った感想です。
【2019.11.10 8:11追記】
素敵かつ正確なレポをお見かけしたのでリンク貼らせていただきます。こっちを読んだほうが身のためですよ。マジで。
/【レポ】第3回ミステリー作家トークショー&サイン会in佐賀市|中野カヲル|note https://note.mu/kaworunakano/n/n08fdf7a86b35
RT用(私のレポよりこっちを拡散してくれ〜!!世の中〜!!)【11/10 8:50追記】/https://twitter.com/KaworuNakano/status/1193205431239233536?s=19
【原文】
※口調とかはイメージで補われています。
※たぶん間違ってる箇所もあるはず。リプライいただければその都度追記・修正しますのでお声がけください。
※死ぬほど長い。なぜならハイライトを選ぶことができないから。メモったの全部文字にしたら2時間以上浪費した。
※( )は補足とか私の感想、というか妄言。実質応援上映なので。
竹:自分の仕事はこの4人を揃えることなので9割仕事しました。
(実際あまり喋られてないです。京極夏彦オンステージだよ)
綾:なんで僕は今年もいるんですかね。武雄温泉に来た時点で9割働いたようなものですが。麻耶さんは7つ下だっけ?
麻:9つです、年齢だと。
綾:トークショーしても嘘しか言わないんだよ、麻耶さんは。大阪で一緒にトークショーやったときも嘘ばっかだったよ。
(私これにも参加していたんですけど、その時言ってた大学生の娘さん情報は嘘ということかサイン会の雑談で発覚しました。信じていたのに……!)
京:デビューが94年なので私が一番下っ端でございます。
京:姑獲鳥の夏の持ち込みは、『匣の中の失楽』講談社ノベルス版の奥付の電話番号を見て掛けたのでこれがなければここにいませんね。
音羽のK社(みんな頑なにこれで呼んでました)のKさんが連休中日なのに居て……。
綾:京極さんは第15代組長(日本推理作家協会会長の意)ですからね。闇営業問題とかいろいろあるけど。
京:理事っていうのは雑用頭ですからね。おめでとうって言われるけどご愁傷様が正しい。今野敏が悪いんですよ。本当なら他にやるべき人がいっぱいいるけど、関東近郊に住んでないといけないから。
京:今日って「ミステリ作家トークショー」ですよね。ミステリの話をする必要はなくて、"ミステリ作家"の"トークショー"。
綾:去年の2日目は互いにどの作品が好きか話したりしました。
(仲良しですか!?!?)
竹:「刀と傘」の話をした。
(めちゃくちゃ聞きたかった!!!)
京:これまでミステリ系のトークショーって3回くらいしかない。あとはお化けばっかりですね。佐賀だと土蜘蛛・化け猫(たぶん鍋島)・ひょうすべ(綾辻先生が河童もだっけ?って聞いて、それがひょうすべですねと返ってくる。最高)・大楠・宮本武蔵とか。
Q:佐賀の印象について
綾:麻耶さんはあまり表に出ないからどういう人かわからないよね。
(Twitterして!!!と切に願ってしまった)
麻:元々乗り鉄で、今はモチベのため城巡りをしています。佐賀もまず唐津に行って、駅前でラーメンを食べた。
(円居挽と一緒だったらどうしようなど余計な心配をしてしまうオタク)
京:……それは、本当なんですか?(イケボ)
京:佐賀大のシンポジウムでテーマが焼き物の土だったけど、結果的にお化けになった。お前はお化けだ!みたいな。
竹:自分はお嫁さんについて佐賀に来た。印象は田舎だなと。相生も都会とは言えないけど、佐賀はもっと田舎。最寄りの長尾駅は無人だし。
綾:一昨年のトークショーで初めて佐賀に来た。毎回竹本さんの家に泊めてもらう。印象としては「暗い」ですね。竹本さんの家の周りに街頭がないから。竹本さんに「人がいないから危なくない」と言われた。
竹:暗いので溝に落ちたことがあります。
綾:うちの長らくお付き合いしている小野不由美さんが(ここまで原文ママ)(惚気か!?)、大分の人。九州は魚とか食べ物が京都より美味しい。
京:竹本さんが来場者からの事前質問全然見せてくれなかったので今!?という感じ。
竹:佐賀ミス第1回の後感想を聞いたら、まとまりがないと言われた。タダで聞いてるくせに贅沢言っているなぁ。
Q:渾身のトリックを思いついた!と思ったのはどの作品?
京:「渾身のトリック」という言葉がおかしいねえ。
麻:第1作の首の方【ではなく密室の方(11/10 8:06追記)(マジで核心部分聞き間違ってすみません)】。これを思いついたらあとは書けるなと。
(それはまじで天才のやつですよ)
綾:『時計館』。タイトルだけ先に決まっていて、食事会でタルタルステーキを食べて食後のコーヒーを飲んでるときに思いついた。
竹:僕はトリックメーカーじゃないから。
京:僕もそう。……見えなかったとかそんなんばっかりですよ。いや思いつかないんですよ、そういう話があるなあ、みたいな。「渾身」というのがない。渾身というのなら生きてることですね。渾身の力を込めて呼吸をしている。
(末永く永遠にMUGENに生きてください……)
綾:『姑獲鳥の夏』を読んだときはすっげえと思った。榎木津を出してくるところとか。脇をあんなので固めるとは。
竹:あれにはびっくりした。発明だね。京極夏彦以前/以降があると思う。
綾:麻耶くんのだと『螢』が好き。
京:麻耶さんのミステリ的じゃない方面に評価が行っちゃうのが良い。
麻:ミステリ以外のものが得意でないので。
竹:ミステリに真面目だ……。
綾:麻耶さんは自作が変だという自覚はあるの?
麻:変だ変だと言われる。自分だと『メルカトルと美袋のための殺人』などの短編集が好き。長編は風呂敷を広げられるけど、最後畳むときに現実的になっちゃう。短編はちゃんと書き終えたという満足感がある。
綾:長編だとどうなの?
麻:うーん……どれも得意じゃないですからねえ。
(めちゃくちゃ長考)
『夏と冬の奏鳴曲』は好きなように書けたかな。オチをつけなくていいので。賞はもらったが『隻眼の少女』にも不満がある。貴族探偵もドラマがありましたね。
綾:嵐?の相葉さん?だっけ?
(アイドルにお詳しくないらしい)
麻:お忙しい人だった。当時インタビュー1日5本とかでそれぞれの休憩が5分とか。
綾:麻耶さんが酔っ払って「法月さんはもっとかっこよくなりますよ!」とか言っていた。あと我孫子さんにも酔っ払って絡んだの?【島田先生にも(11/9 22:33追記部分)(他の方のTwitterより確認)】上海で一度破門されたよね。
麻:酒を飲むと嘘がつけないんですよ。
綾:酔った麻耶さんすごいよー。この中でお酒を飲むのは麻耶さんだけ、残りはタバコ。
竹:去年のトークショーではタバコ休憩をした。
京:それを聞いてびっくりしましたよ。
綾:僕らがタバコ休憩行ったら麻耶さんだけになっちゃうね。
(麻耶先生オンステージ見てえ〜!)
綾:百鬼夜行シリーズはミステリですよね?
京:名探偵は出てくるし、人は死ぬしねえ。
綾:好きなキャラとかはいるの?
京:百鬼夜行で好きなキャラは特にない。キャラだけでなく食べ物や本など、嫌いなものがないだけでなく、好きなものもない。平板な人生ですよ。
(虚言少年の均すと平らだ――を思い出すね!!)
京:スポーツは嫌いじゃないですけど、日本人のスポーツに対する態度は認められない。それと身体が動かないのでスポーツが出来ない。この2つを以てして、スポーツが嫌いだと言われるのは……。
綾:どうですか、関東に住んでいて東京2020?
京:あの大きな運動会?(会場爆笑ですわ)気配をひしひしと感じる。悪しき武士道のようなものが影を落としている。それによってもたらされる弊害のほうが多いと思われるのが良くない。完全に隠蔽されているなら良いが、前もって分かってしまうのがよろしくない。去年金閣寺に行ったんですけど、まあ寺を見ますね。そしたらいろんな人種の人が全員こちらを向いているわけですよ、自撮りをするために。そして明らかに異教徒がいる。寺を見たはずが、いろんな人が自分の方を向いているのを見ました。世界宗教会議ですね。金閣寺の喫煙所って外国人ばかりなんですよ、報道では世界的に禁煙なんて言ってるけど実際そうじゃない。言葉一つで人心というものは持て遊べるのだから、徹底してほしい。作家もそれが仕事ですけどね。
(京極夏彦オンステージか!?になった)
綾:こんな感じで京極さんに振ればいくらでも話してくれる。
竹:……ちょっとここらへんでタバコ休憩行きます。
(竹本さんまじで退出)
麻:それだったら僕にもビールタイムがあってもいいんじゃ?
京:さすがにタバコ休憩は冗談かと思ってた……。
Q:フーダニットとハウダニットどちらに重きを置いていますか?
綾:フーダニットがメインだけど、ホワイダニットも重視しています。動機という意味だけじゃなく。ホワイダニットっていうのは、何でそんな変なことをやったのかとかなぜこんな状況になったのかとかも含んでいるので。
麻:完全に同意ですね。ホワイダニットは大事。
京:僕の場合は誰が、とかどうやって、とかじゃなくそもそも何が起こっているのか?という。
綾:Whatですね。『赤毛連盟』はそれ。名作にはあります。
京:『赤毛連盟』は好き嫌いがあったころは好きでしたね。
Q:本当は苦手なミステリ作家は?
京:好き嫌いがないからいないですね。平山夢明ともフツーに付き合っていますからね。
綾:有栖川有栖(キッパリ)
竹:気を使う人はいるけど、苦手な人はいないですね。
麻:いないですね。法月さんはプロデュースしたい。可能性の幅を広げたい。
綾:麻耶さんがしつこくこれを言っているから、法月さんの奥さんに怒られちゃって。だから麻耶さんはいつも嘘をつくんだね。
京:まずくない!?人間として!?
麻:ミステリのパーティーとかでこないだの作品つまらないですね、とか言えない。
京:好き嫌いがないとつまらないということがないですね。
麻:僕はつまらないとは言えないので無難な嘘をつく。
綾:周りが先輩だと嘘をつく。
麻:自分がオチつけないとなーとなるんですよ。
京:大沢在昌さんが会長のとき、日本推理作家協会で行方不明になった大沢さんを探す寸劇を撮ったんですよ。我孫子さんが脚本担当なのにあんま書いてなかった。自費で撮影しました。京都まで出掛けて綾辻さんに出てもらったり。ほとんどの推理作家は「大沢在昌さん?知りませんね?」って言うんだけど、麻耶さんだけ「大沢さんはラーメン屋を開くために中国のテンコウにきくらげを取りに行った」とか言うんです。そのためにテンコウのカットまで用意した。
(だから京極夏彦オンステージか!?)
竹:麻耶さんは『ウロボロスの基礎論』の寄稿原稿もすごかった。「仏像の見分け方」だった。
麻:竹本さんを困らせようという雰囲気があったので……。みんなマトモだったのでハシゴを外された気持ちでした。
綾:他人の土俵だと遠慮がないよね。
京:僕はもう遠慮でできてるようなもんです。
竹:京極さんが世に出たとき、法月さんが「僕らがやってきたことは京極夏彦の登場のためだったんだ……」って悩んでました。あの頃いつも悩んでいたけど。
綾:悩む理由を探してたんじゃないの。
京:当時「新本格の幕を引いた男」と呼ばれました。
麻:ちょうど自分たちが寡作になってきたときに3冊も4冊も出したから……。ちょっとやる気なくしました。そのあと京極さんの刊行スピードに間があいて良かったです。
京:だって……ヤじゃないですか、仕事するの。
(完全同意ー!)(サイリウムを振る)
京:みんな小説家になりたかったの?
麻:小説家というより、ミステリが書きたかった。
竹:僕は漫画家志望でした。
京:『姑獲鳥の夏』を書いたのはヒマだったかわですね。バブルが崩壊していなかったら小説書いてなかった。
Q:小説家になっていなかったらどんな仕事をしていた?
京:僕は就労経験があるから……。皆さんは?
綾:小説家にならなかったら、院に残って社会学やって挫折して野垂れ死んでいたかも。竹本さんは大学のキャンパスに入ったことはないんだよね?
竹:講義は2日くらいしか出ていないですね。小説家になってなかったら漫画家になっていた。当時も投稿・持ち込み・同人といろいろやっていた。中井英夫さんに小説家になれ!と言われて今がある。
麻:僕は工学部電気系だったのでメーカーに務めていたんじゃないですかね。当時就職氷河期前だったので、先輩リクルーターとかいたし。
(綾辻さんタバコ休憩)
綾:(タバコ休憩から戻ってくるなり)さっきの苦手な小説家は?っていう質問、嘘。
一同:えっ!?
Q:尊敬や嫉妬している作家は?
綾:尊敬しているのは楳図さん。(ウメズさんとしか言ってなかったけど楳図かずおさんで合ってるよね?)京極さんはやっぱり水木さん?
京:水木先生は敬愛してるけど尊敬はしていないです。
麻:鮎川さんですね。
竹:中井さん。尊敬とはちょっと違うけど……。実際会うと尊敬が目減りした。文章面だと津原泰水さんに嫉妬した。
麻:嫉妬しても自分が書けなければ意味がないですしね。
綾:有栖川有栖はスイスイ書いててこんちくしょう!と思うね。新刊で悩んでるときにアイデア出し手伝うよー!って電話したら、何週間後かに書けた!とか言ってて腹がたった。
(最高のエピソードですが!?)
京:書かない人・原稿を落とす人が原稿を出すと褒められるんですよねぇ。
綾:あ〜……平山夢明〜。
京:"あの"不良がスタジオ入りするときに「おはざまーす」って言っただけで褒められる。"あの"男は、"あの"男はね、「締切ってのはハードルなんだよ。越せば越すほど先に行くんだぜ」(平山夢明のマネ)とか言ってて憎たらしい。
(最高のエピソードですが!?)(2度目)
綾:締切は、最初の締切・第2の締切ってどこまで締切あるんだ?ってなりますね。
京:編集者は小説家によって伝える締切日を変えてるけど、小説家の仲間内でデッドラインが分かる。
綾:竹本さんは同じペースで書いてるよね。
竹:僕はラストスパート効かないから。
綾:残り15分くらいだし、今後の慣行予定などはありますか?僕は『Another2001』が来年出る予定です。1998年の3年後だから2001年にしようと思って、実際書き始めたのが2005年とかでここまで伸びてしまった。2021年に出しちゃうと20年前の話になっちゃうから来年出したい。
京:このさい2021年のほうが良いのでは?
麻:木更津の長編『弦チェレ(私がちゃんと覚えてないだけで正式名称でした)』が来年出る予定がです。あと『貴族探偵vs怪盗マダム』予定している。1年で2冊出すの勿体無いなと思ってる。
綾:麻耶さんもだけど、僕もこんなに本を書かなくて生活を心配されるけど、うちには小野不由美さんがいます。(ドヤ顔)
(めちゃくちゃ最高のドヤ顔じゃない!?!?)
京:推理作家協会会長と町内会長のため時間と気力などがない。本を書いてくれって言ってる版元が、やれ講演しろだの講演を本にしろだの言ってくる。音羽のK社とか。所沢のやつも。東日本大震災の前日に出た『オジいサン』っていうかわいそうな本が角川から完全版で出ます。
綾:鵼の碑は?
(訊いてくれる〜!)(いや答えは知ってるけど)(真顔)
京:出版社に聞いてください。
綾:もう書き始めたの?
京:もう【書いてる(11/10 1:41追記)(ご指摘がありました!)】【☓:書き終わってる(こっちは修正前)】んです。今、遠巷説百物語や書楼弔堂も連載があって、講演の本も今月出る。ゲゲゲ記もあるし、今後女子高生1千人の前で講演もしないといけない。雑事がなくなった暁には書き下ろしができますが、命の炎が燃え尽きてるかも。
竹:来年3月に角川から『狐火の辻』が出ます。K社からも『呼んではいけない』がタイトルが変わるかもしれないけど出る予定。
綾:道夫秀介さんの『いけない』が出たから?
竹:そういうわけでもないですが。『闇に用いる力学』も来年かな。こんなに出していいんだろうか。バラしたほうがいいのかな?
(うれしいけど三京祭で1万円使ったオタク的にはバラしてくれるのも!嬉しい!)
京:僕今年でデビュー25周年なんですよ。
綾:40年くらいいるような。
京:それで『姑獲鳥の夏』の金箔貼り10万円というのが出まして。僕も買わされるんですが。今年9月予定でしたが技術的な理由で来年になります。
麻:ディアゴスティーニみたいにすればいいんじゃない?
綾:週間姑獲鳥の夏みたいな。
京:自分で貼れる金箔セット!
(こういうワチャワチャ好き〜!)
綾:ディアゴスティーニは何か買った?
麻:オペラのDVD。
京:金田一耕助。ソフト化していないやつがあったので。
(残り数分となり会場を片付ける必要があるというアナウンス)
京:もう中庭でサイン会すればいいんじゃない?
竹:京極さんはわからないのかもしれないけど、暑いよ、今日。
(わかる〜!)(半袖狂人より)
京:暑いんだ!?
綾:麻耶さんは今日真面目だったねえ。京極さんが言ったことはよく噛み砕かないと、痛い目を見ますから気をつけてね。
(綾辻先生、推せる〜!!)
・京極先生の着物の裏地めちゃくちゃオシャン。喋りはいつも通りです。煙に巻いてくるし、マイク持たせたらオンステージ!!!まーじでずっと喋ってらっしゃいますよ。前髪流す癖があり良となった。
・麻耶先生がわりと手首ひっくり返して膝の上で伸ばしてるの何?かわいい。いつも円居挽先生経由の「先輩」的な情報しか漏れ聞こえてこないので、こんな「後輩」みたいな面が!?(酒のくだりとか)ってなった。
・綾辻先生の仕切り力がすごい!!まあ喋らせたらオンステージの人と天然とあんまり喋らない人ですもんね!?サイン会のメッセージ欄にそのこと書いたら「向いてないんですけどね」って言ってて、担当さんは「向いてます!」って言ってた。
・竹本先生、マイペースでかわいい……。もっとお話してくれてもよいですが、まあ人集めした時点でお仕事完了らしいので。タバコ休憩まじで行っちゃうのは笑ったし、タバコ吸い終わってからも客席からステージ眺めてたのも面白かった。