ギムナジウムと名探偵アーロンは互いを内包し補完し合う物語である(イベスト本編ネタバレ)
考察長文(3600文字)だよ
担当ガチャ二枚目来ません。称号が欲しい。
名探偵アーロンイベスト爆走しました。
本編ストーリ自体は普遍的な探偵ものですが、この背後に「深緑のgymnasium」(以下ギムナジウム)があるという事実が互いの存在証明の補完じゃないですけど、概念強度マシマシになるなと思ったので自分の考察をまとめる意味合いもかねて公開します。長文だよ。
ギムナジウムと名探偵アーロンの本編内容については適宜書いていきます。
名探偵アーロンでは前回イベントのギムナジウムがスピンオフという形で設定されており、実際にストーリー内ではドラマ「ギムナジウム」の放送→映画「名探偵アーロン」の公開という時系列になっている
そのため、スピンオフという位置づけながらギムナジウム内で先に掲示された情報がいくつか名探偵アーロン本編内部に登場します。
多分、今夏公開「名探偵アーロンの事件簿」その前日譚となるドラマを放映します!的な流れなんだろうなぁ。良きかな。
ギムナジウムと名探偵アーロンの共通項として「チェス」「探偵」の二つがあり、この二つが大きなキーワードかなと思ってたんですよ。思ってたんですよ。違ったんですよ。
ギムナジウムが公開された当初からPの方々がずっと言っていた言葉が"内側"と"外側"
ギムナジウム―寄宿舎という外部から隔離された世界とその外側の世界
この"内側"と"外側"という言葉こそが名探偵アーロンとギムナジウムが互いに補完関係である証拠だなと思っていて
まず、先ほど共通項としてあげた「チェス」
本編では「パーペチュアル・チェックの噂(ギムナジウム)」「12時のパーペチュアル・チェックの噂(名探偵アーロン)」として登場し、かつギムナジウムではジークとハイドの存在証明。名探偵アーロンでは遺留品としても使われている。
名探偵アーロンで何故チェスが”内側”と”外側”を隔てるキーになっているか
それは「12時のパーペチュアル・チェックの噂について知っている者と知らない者」が存在しているから
この噂について知っている/関わっているのは
ノース・ナイトリー
トーキン・グスマン
ビル・マックイーン
ビーン・サップ
ナリオ・ホンダ
ルークス・ホワイト
ピース・ボーダー
の計7名
そしてこの7名の共通項として「姓名にチェスの駒が当てられている」ということが挙げられる
ノース・ナイトリー→ナイト
トーキン・グスマン→キング
ビル・マックイーン→クイーン
ビーン・サップ→ビショップ
ナリオ・ホンダ→(おそらく)成り→プロポーション→ポーン
ルークス・ホワイト→ルーク
ピース・ボーダー→(チェス)ピース
噂を知らないジャステル・アーロンとシューティ・ダンにはチェスの駒の名前は入っていない。
そして物語は「12時のパーペチュアル・チェックの噂」を中心に据えて展開されていく
つまりこの噂に近い7人が"内側"であり知らない探偵二人は”外側”であるといえる。
また、本編でナイトリー、グスマン、ビル、ルークスは同級生であることが明かされており、
シューティが証拠品として見つけたナイトリーのスケッチブック、同じデザインのものをレインが小脇に抱えているんですよね
このことからもこの4人(6名)がギムナジウム出身であることが分かります。ナリオはわからん。
(ナイトリーがギムナジウムのスケッチブックを持っていることこれ自体がナイトリーが寄宿舎にいた証でありかつ、未だギムナジウムから抜け出せていない=ギムナジウムに内包されているという意味合いになるのでは……?)
ギムナジウムでも初期に同じ構図がとられている。
チェスに関わる内側の双子、そして外側の探偵三人。
これらの理由によってギムナジウムで提示された「チェス」が名探偵アーロンで"内側"と"外側"についての補完効果を及ぼしていることになります
では、ギムナジウムでは名探偵アーロンの「チェス」によってどのような補完効果効果を受けているか
それは「12時のパーペチュアル・チェックの噂」について
ギムナジウム本編では「レインがこの噂によって消えてしまったことにする」とサニーとスノーが言っており、実際30年後の名探偵アーロンでは「30年前にレインという生徒が消えた」という噂が伝わっている。
つまり、実際にスノーとサニーがこの噂を言いふらしたという事実が生まれ、そしてサニーとスノーの実在性が確定するんじゃないかなー(突然のあいまいさ)
そういえばスノーの立ち絵とナイトリーの立ち絵、二人とも黒のナイトもってるんですよねぇ……
そしてですよ。
一番言いたいのが「ノース・ナイトリー」&「ジャステル・アーロン」と「ジーク」&「ハイド」の補完関係について
ふと名探偵アーロン本編読了後思ったんですよ
ギムナジウムの「ハイド」と「ジーク」って「ジキルとハイド」以外に「ハイドアンドシーク」の意味もあるのでは……?
「ノース・ナイトリー」そのものが「ジキルとハイド」両方を意味するのでは……?
もしかしなくてもこの双子と二人(ナイトリーとアーロン)の補完関係エゲつないのでは……?
ギムナジウムでの「ハイド」と「ジーク」はおそらく「ジキルとハイド」から来ていることが推測される
※「ジキルとハイド」といえば19世紀ロンドンを舞台にした二重人格を描いたお話である(簡略な説明)
……19世ロンドンって名探偵アーロンの舞台じゃねーか
ギムナジウムでは「ハイド」が表として動き「ジーク」は寄宿舎内では”存在しない”人物として描かれている
名探偵アーロン本編では表で動いていた「ノース・ナイトリー」が実は偽名であり本当の名を「ピース・ボーダー」であることが明かされる。また乗客の「ビーン・サップ」もナイトリーが工作した「”存在しない”架空の乗客」であることも明かされる。
また、「ジーク」は己の存在が見つかったことでギムナジウムから去ろうとしていた=物語からの消失
そしてナイトリーも己の計画実行後自死を選択しようとしていた=物語からの消失
この二つの事柄からナイトリーと双子が似た構造であることが伺える。そしてその構造が「ジキルとハイド」にも似ていることが言える。
「ハイド」と「ジーク」に「ハイドアンドシーク」の意味が含まれている理由としては
「ジキルとハイド」の「ハイド」自体がおそらく「Hide(隠れる)」から来ている
「ハイドアンドシーク」とはかくれんぼであり「隠れた人を探す遊び」という意味がある。
「ハイドアンドシーク」は二人でやる場合、必ず別れなければならない。まるでギムナジウムの双子のように。日の当たる場所では二人同時に隠れることはかなわない。
【秘密の双子】蒼井悠介カード台詞「オレたちが一緒にいられるのは夜だけ。闇はすべてを隠してくれる」=夜なら二人はhideになれる
また、これを名探偵アーロンに当てはめると「ハイド」が「ノース・ナイトリー」であり「シーク(探す)」が探偵である「アーロン」であると推測できる
以上上記二つが挙げられる。
「ハイド」と「ジーク」
「ナイトリー」と「アーロン」
この二組を結びつけるのが「チェス」そして「パーペチュアル・チェックの盤面」である
ギムナジウム
ジーク「(前略)このルークを動かせば…」
ハイド「ああ、また引き分けだ…はは!」
名探偵アーロン
アーロン「ナイトとルークに阻まれてしまいましたが…ふむ、これは…」
ナイトリー「(前略)パーペチュアル・チェック。引き分けですね」
いやもうマジこの関係性を明確に隠喩した運営エグくない????
誰が「ハイドとジーク」という文字に「ジキルとハイド」「ハイド&シーク」の意味合いを持たせろって言ったのよ。
あと「ナイトリー」が「毎夜」を意味するのも双子を暗示させるようでしんどい
(本名のピースはナイトもビショップも内包する意味合いを持つからね。なんの違和感もないね。エグイ。
というか復讐を果たさんとする人の偽名が「騎士」と「聖職者」を意味するナイトとビショップなのもエグい。)
アーロンがチェスをしていたのは「ピース・ボーダー」であり「ビーン・サップ」であり「ノース・ナイトリー」であった三人の男の顔も持つ存在である。
「チェスは必ずしも2人でやらなくてもいい」
一人でやっても1:3であってもいいわけだ
そしてパーペチュアル・チェックによって異世界に引きずり込まれるのが決して一人である決まりもない。
ギムナジウムという内側に引きずり込まれたのが”名探偵アーロン”であってもいいわけだ