#君たちはどう生きるか
冒頭の戦時下の描写からまた風立ちぬ的な?と思ったが、モブの描写などからこれはもっと違う何かだぞと、告知ビジュアルの青鷺の登場からもはやホラーかと言いたくなるおどろおどろしさでぐんぐん引き込まれた。
塔の存在の不穏さを知ってるばあば達の初登場時の気味の悪いモゾモゾした動きのあと、ちゃんと感情やキャラクターが分かってからは愛らしく見えてくるのも良い。
にしてもメガネで目が四つとかは本当に怖かったが笑
マヒトを食べようとするインコ達も、王と大叔父のやり取りを見るに、彼らもまたあんな不完全な世界で生きなくてはならなかった哀愁があるなと思うと、ただ怖いだけには見えなくなってくる。
不完全な悪意のある石で出来た積み木の世界の均衡は崩れていく、というラストの展開と、実態の分からない恐ろしいものもまた、不安定なバランスのもとギリギリで成り立っているんだという気づきと表裏一体なのかなと。
だから、どう身体に刻み込まれた悪意と向き合いながら、君たちはどう生きるかと。
戦争の終わった東京へ戻るマヒトが、いつか忘れる(って青鷺が言ってた)一瞬の冒険の記憶と一緒に、どんな積み木を重ねていくのか、米津玄師の主題歌「地球儀」も、歌詞を全部聞き取れてはないんだけど、シンプルなブルーの背景に流れるクレジットを眺めつつ物語を反芻していたら涙が出てきた。
青鷺がお前覚えてんのか?と、語りかけてくるところも、子どもの頃に描いた自由な空想をもう一度見ていいんだよ、と言われたようで、泣けた。