さよならの朝に約束の花をかざろう。魔女集会とか流行ったように、長命の種族が人間を拾い育て、あっという間に成長した人間の子供に慕われる話なんだが
人間を拾った長命の種族は、一貫して人間を我が子として、母親として愛するのがいい
美しい種族で何百年生きていても幼い十代前半の容姿のまま…
美少女や美少年が、同じ年頃の美少年美少女に
「ただいまお父さんお母さん」
「晩ごはんだから帰ってきなさい」
っていうのすごいパワーがある。ある性癖に刺さる
違和感の塊みたいな気もするけど、あの世界のあの国のあの種族の独特の生活風景が人間と違う、異種族であるというのがビシビシくる
そのあと人間の国が略奪にくるのだけど、スゴくゲスい、これも互いの違いを印象付けるためのゲスい言葉遣いなんだろうけど
「本当に子供ばっかりだな」
「お前こういうの好きだろ」
とかヘドが出そうなことをいう。
人間と形は同じでも明らかに異種、更には自分達より劣っているともとれる相容れない壁があるのわかる。
中略するけど、犬が死ぬ
そもそもイオルフの民は数百年生きるから犬なんて寿命であっという間…苦しまず大往生なんだけど
この映画、時の流れがスゴく早くて観てる間に幼児は青年になるし、世話になった人はフェードアウトすると経年によって恐らく他界したんだなってなる。
イオルフ視点での「出会った人がドンドコ他界していく、過ぎ去っていく」をサラッと体感できる
犬も例によってなんだが…埋葬するときの
「埋めたらもう遊べない、こんなに深く埋めたらかわいそうだ」
って死を理解できない子供がいうの、つらい
犬は幸せな一生をまっとうしているのだけど
のこされた者の気持ちを、いやと言うほど味あわせる演出。いいね。
そういう、大切な人もそうじゃない人も、過ぎ去ったりおいていかれたりする、自分は全く老いることもないイオルフの少女(最初は15歳だ30歳過ぎても見た目変わらず)が
母親になろう、この子が一人ぼっちで泣かないように強くなろう、じゃあ自分はもう泣かないようにしようって
泣き虫で弱虫なのを隠して、子供の前で気丈に振る舞って笑い飛ばして優しく抱き締めて育てるんですよ。
自分より大きくなって、自分より大人に成長した息子に恋愛感情を向けられても
母親としての愛が揺らぐことはなく、突き放すことはなく、傷つき迷い、この子の母親でいつづけ
子供が巣立ち、大人になったとき
あなたのお母さんでよかった。と心から祝福し巣立ちを見送る。
親子の愛の物語でした。
私は、
疑似親子や親子愛が、時を経て、恋愛や男女の愛に変化していくの全然最高で大丈夫な人なんですけど
そういうのが苦手とか嫌って人もいて
色んな人がいるんだなと思っていたのだが
こういう純粋に一貫した愛を完成度の高い作品で見ると
変わらぬ母性愛の美しさと良さが割り増しで私の顔を殴ってくるし
恋愛に変化しない疑似親子の愛の尊さ、良さがしみじみ伝わりますね…