神神化身 #舞奏曲集弐 ネタバレありの感想を言うと、
遠流くんの「それでも僕はアイドルをやる自分が好きだ」と言えるようになる心境の変化が好きです。
自罰的であり、小説本編では自分がすべての罪を背負わなければと思っている遠流くんが、それでも自分の好きなものを追い求めていい、自分自身の幸せを願ったっていいんだと思えるようになる変化が、尊く美しいと思います。
そして、そんな遠流くんに対しておちょくりつつも見守ってあげるお兄さんのように接する昏見も好きです。
年下の男の子の背中を押してあげる、そんな優しさを見せつつも、所縁くんにはちょっぴり塩対応なそのギャップが好きです。
(個人的に、『ふわんふわんふわんふわん』と口で言うところが一番ツボでした)
「俺の本願を叶えたいと思っている?」という所縁くんの、傲慢だと自覚しつつもそれでも願ってしまうこと、同じ衆の仲間が殺されるなんて見たくないからと祈る所縁くん。そこで「殺す側」にはならないと思っているあたりも好きです。
キラキラ三言の、少しずつ我欲を見せるところがあり所縁くんとのやりとりにふふっとなりつつも、「3人でいられるだけで幸せだったのに、それを口にすると寂しい」というあたりがすごく刺さりました。覚えていなくても、家族や4人組だった幼馴染たちの記憶やぬくもりを覚えているところに希望を感じます。
比鷺は一番優しくて、いつもはだらっとしていたりしても遠流をかばったりしてくれるところはやっぱり好きです。そして、「それでも三言が願ったから、今は逃げずに舞奏に向き合う」という決意と姿勢が格好いいと思います。
そして、音楽の本質を語り繰り返していくことでより至高の舞奏が見られるならば永遠を願ってしまうかもしれないという萬燈夜帳。微忘録Twitterに第一部キャラクターで唯一不在かつ七生千慧が存在を認知していない萬燈夜帳という存在そのものとこの萬燈夜帳のかつての願いが、どのように絡み合っていくのかがすごく楽しみです。
物語の本質に迫るストーリー、そして少しずつ不可逆の変化を見せるキャラクターたちの、今後展開がすごく楽しみです。
神神化身を生み出してくれてありがとうございます。