パライソが西洋クラシックミュージカル、
東京心覚が小劇場・不条理演劇の演出手法を盛り込んだ作品だったように、
江水散花雪は歌舞伎や江戸文化へのリスペクトをぶちこんだ作品だったのが表れてるのかなあと思ったんです
月以外の映像演出を最小限に削ぎ落して、
・冒頭の騒ぎを起こせ!のくだりで、ちょっと持って回った「大江戸八百八町、すべての民の眠りを覚まし…」って言い回しからの、にゃんくんが(虚偽の)火事知らせるためにするするって火の見櫓上って実際に半鐘打ち鳴らすとこで\八百屋お七やー!!/ってひと盛り上がり
(見返してみると松陰が舞台ど真ん中でめっちゃ見得切ってたけど謎の面白ボーイのインパクトで流してしまってたよ…笑)
・今までの刀ミュ本公演ではたぶん使われたことのない、中を見通せる家屋型のセット
・傘張り浪人まんばさんのくだりで、三味線の生演奏であることを強調するライト
・遅れてくるヒーローこと兼さんが、登場を引っ張って引っ張ってババーン!って現れて大立ち回りする姿
\ヨッ待ってました!!/\石田屋!!/
・一橋派vs南紀派ソングの時に現れる黒子が花吹雪を降らす演出、仕掛け役としての遡行軍、打ち鳴らされる拍子木
・プチ蘭平物狂みたいな梯子乗りの殺陣
・山姥切が殿になるくだりで、一斉に攻撃を受ける見せ場
・ラストの桜田門外の変、同じ服を着たモブが連なって動く姿と静かに降り積む紙吹雪、赤い紙で表される血しぶき、
・エンディングの幕が上がると登場人物一同、立ってるんじゃなく正座してるところ
多分詳しい人が見たらもっと色々あると思うんですけど、この令和の世の中に華やかさも禍々しさも最大限生身・実物での表現で見せてたのが、傾いてると書いてロックだなあと。
そして「ミュージカル刀剣乱舞・舞台芸術三変化」みたいなこの三作品、タイトル見るだけでちゃんとそれぞれの色調が表れてることに痺れます。
余談。
あの時空の扉、「扉って譬喩表現じゃなくてそんな物理的な腕力で開けられるタイプの扉なの!?」って初見思いっきり二度見したんですが(笑
あの上から降りてくる部分を歌舞伎の幕と見立てると、一回下りてしまった悲劇の幕を「許さんぞォ!!!!!!!!!」ってこじあけて舞台上に戻って来る大包平、”登場人物”として最高の横紙破りでフゥーーーー!!ってなりますね。
横綱ともなるとしでかす無茶も格が違うぜ!!