こんなことになってなおこの少年はそんなことを怖れる……ねえ……

あの頃と同じ表情と声とを見せられて“本当は何も変わっていない”ではなく“ここまで変質してしまった”って気持ちが湧いてくるの本当にすごいと思う そこだけ切り取れば同じに見えるのがかえって異様さを浮き彫りにしている

「君を認めよう」ってこたえをもらって固い蕾のほころぶように至福の笑みを浮かべるの、あまりに幸福そうなことに呑まれてよかったねって気持ちになりかける 何ひとつよくない 好きです

「孤独だ」「ひとり」を新納彼は痛ましいものを見る眼で続けるし、田代私はそれ聞いて目を剥き顔から血の気が引くようなのに「いや、」のひと言でぜんぶ撥ね付け蕩けるように笑んで「離れられない」って返すから“私”のネジか箍か正気かそういうものが外れてる(個人の感想)

穏やかで幸福そうな笑顔のまま、「えいえんに」って木漏れ日のようなやわらかな音色で歌う田代私はすごく幸せそうで正気を失ってしまっているようで、新納彼の向ける眼が憐れみでも慰みでも、冷たい色をしていないことにせめてもの救いを覚えるし新納彼には同情する こんなになってしまったら怒りを向けることもできないじゃん


ところで純度100%の妄想なんですが、この“私”は囚人間でのトラブルや何かの罰で“彼”が戻って来ない日はご飯も食べないでずっと泣いてそうだなって思いました