LUNGS ネタバレ有り感想🫁
私の感覚ですが…WもMも最初からずっと子どもが欲しかったように感じた
(以下勢いだけのぐちゃぐちゃ長文メモ 取りこぼし多々なので思い出したことは随時追記するかも いつかちゃんと整理したい)
※私個人の話も沢山出てくる感想文です。
https://dadadawest.hatenablog.com/entry/2021/11/06/125510←昨日ブログに書いた通り私は成り行き任せでここまで来てしまった人間なのできっとLUNGSを観たらまた反省するんだろうな…と半ば怒られに行く気持ちだったのでまさかまさかの展開にひっくり返った。彼らもなかなかに成り行き任せだったので。
なんであんなに色々難しいことまで語り合うのにセックスはしてしまうのだろう。でもその愚かな部分が人間らしくて、お互いを純粋に好きな証拠でもあって(世の中にはそうでない理不尽なケースも多々あるから全肯定はできないけど)、ある意味運命的なものでもあるのかな…なんて私自身が都合のいいように受け取らせてもらった。
赤ちゃんはずっと小さいままじゃない、ずっと指を握り返してくれるのではない、私たちと同じように大きくなる。(ニュアンスです)序盤のWの言葉で泣けた。まさに私が今直面している事だから。子どもを持つ=可愛い赤ちゃんを産んでおめでとう~だけで済む話ではないんよね。
序盤の口論の後にハグしてもらってからはWの口調も落ち着く。社会問題から一転して、子が生まれた後のあれこれをゆったりと語る。もっと本音はこういう幸せな部分を想像してたいんだろうな。マシンガントークでズバズバ言うWが時々「寂しかった」「そばにいてくれてありがとう」など甘えるのがとても可愛い!奥村さん可愛い!そしてそれに負けず劣らずデレモードの神山くんも鬼カワでした!!(オタクの感想)
セックスの話。いざ子作りのためとなると身構えてしまう気持ち、とても分かる。きっと私よりももっとこの辺は気持ちを代弁したくなる方がおられるだろうな。一回目の妊娠はあの公園セックスによるもの…かな?二回目は衝動に駆られた浮気セックス。こういう時ほどデキてしまうのが恐ろしい。人間ってなんでこうなんだろうな。自戒。一方で不妊に悩む方も多いのが現状。欲しいタイミングで必ず妊娠できる訳では無い(というか普通にできない確率の方が高い)からこれまたしんどい話なんだなぁ…。
セックスから始まり妊娠、そして流産。Wの身体と心の変化、Mには経験できないからどうせ分からないでしょって言いたくなるネガティブな感情にめちゃ共感した。妊娠すると仕事が出来なくなることにも触れられていたし、(それで転職したM凄い…まあまた戻るけどそれも良し)他にも何気ない会話の中で様々な妊娠や子持ちに関する問題が散りばめられているのが流石、現代戯曲の最高傑作。
流産後のすれ違い、切なかった。何も言わなくても助けてほしい。今回に限らずいつもいつもこっちから言わなくても気持ちに寄り添ってほしいのよね。でもMもMなりに傷ついてるのもよく分かった。全体を通してMを優しい人だと思って見ていたからかも。分からないなりにしっかり向き合ってくれてると私は感じた。他人だからそう見えるだけかもしれないが。あと、流産や不妊に直面した方はもっともっと悲しい感情になるんだろうな…経験した本人しか分からない感情は男女に限らずあると思うから他人が完全に分かり合うのは難しい。けど分かって欲しいのよ、出来るだけ何も言いたくないのよ。
最初にツイートしたように、Wは不安を抱えながらもずっと子どもが欲しかったように思う。とにかくMと二人でその不安を一緒に乗り越えたかった。でもMは何を求められていてどうしたら良いのか分からなかった。それでずっと喧嘩してた話。なので、神山くんが言ってた通りカップルの痴話喧嘩、夫婦漫才で間違いないんよね。日常をそのまま見させてもらった感じ。100分に詰め込まれた期間が半端ない量だから衝撃は凄かったが。
くすっと笑えるアドリブっぽいシーンも思ってたより多かった。谷さんが仰ってたようにお二人とものキャラクターが愛らしい!きっとこれは神山くん、奥村さん、谷さんの魅せ方が素晴らしいのもあるんだろうな。ただ台詞量と場面転換がものすごいスピードなのでこちらもついていくのに必死だった。それでも、同じ衣装でセットがなくても「動物園」「クラブ」「運転」「トイレ」「お風呂」などなど今何をしているのかはよーく分かった。テンポよく尚且つ伝わるように切り替えていくために相当な稽古をされたんだろうな。
奥村さん、開演前はとてもにこやかにされていて神山くんの無茶ぶりにも遠慮しておられたのに、いざ始まるとハイトーンボイスの早口なWへと豹変。凄い女優さん…月並みな表現ですみません。
神山くん、表情や声色の引き出しが多くて日常だとオーバーリアクション過ぎるのだろうけどこの素舞台ではそれがめっちゃ映えてた。観てる時は神山くんだということを忘れるくらいMだった。今振り返ってみてやっと思い出す。あと、ミュージシャンという設定は神山くんとちょっとリンクしているようでなんだか嬉しかったな~!
私なりの結論。進むしかねぇ、だと思ったなぁ…やっぱり。人が生きるためには犠牲になるものが沢山ある。完全なものがない問題だらけの生きにくい世の中。私自身も見て見ぬふりをしていること、無知によって自分で自分の首を締めてることを学ばされた。そんな世の中に子どもを産むのは悪と言ったり、自分達は思慮深い善い人間だと言い聞かせたり、路頭に迷ってた二人だが、結局子どもを授かることになる。これも都合のいい解釈かもしれないけど、赤ちゃん来るべき所に来てくれてありがとう、という気持ちになった。お互いを傷つけ合いながらも一生懸命向き合おうとしてきた二人だったんだもの。「僕らの木を植えよう」(ニュアンスですみません)の言葉には希望が溢れていたように感じた。
子を持つべきかという問いに対しては、各人の自由という答え、かなぁ。未来の地球で生きていくために各人がすべき事は沢山だけれども。(あと元フィアンセにどうか幸せが訪れていますように…。)
身近なのにデリケートで取り上げにくいテーマに、神山くん、そしてWESTのメンバー(観てほしい!)が触れる機会となるのが嬉しいな。雑誌のインタビューも改めて読み返したくなった。そして観劇された色んな方の話も聞きたい!オタク以外の、特に男性の話も聞きたい!こんな時くらいしか話せないから、尚更。
【11/08、09追記】
いい親になるとはどういうことか、観劇前から考えている最近の悩み。(我が子が少し大きくなり、ただ世話をするだけじゃない領域に入ってきたので…)
MとWもお互いの親について話す場面が少しあったけど、あまりいいように言われてなかった印象。むしろ反面教師のような。親の立場である私はグサリときたが、今になってぼんやり考えた、反面教師として子の未来の役に立てたらそれでもいいのかもしれないと。
親子といえども他人、好き同士で居られるなんて逆にレアじゃないか?私も自分の親が完全に好きかと言われるとそうではない、ただ感謝はしている。昔は分からなかったことも今になって親なりの愛だったんだなと思うこともある。MとWも、更にライフステージを進めていく中で親に対する気持ちがまた変わっていったかもしれないし…(めちゃくちゃ私の想像の域でごめんなさい)その時出来ることをしていくしかないのかな。やっぱり目の前のことと向き合って進むしかねぇ、結論はそこに行き着く。
色んな方の感想を読ませて頂き、強い共感や新たな気付きにこの舞台の深みを感じる日々。これだけ長文書いても拾いきれていない部分が沢山あるし、何度も観てもっと考えたい理解したいという気持ちがある。でも、拾いきれなくてもいい舞台だとも思う。
「感想書いてるのは舞台の話なのになんだか自分の話になってしまう…」と零してる方もよく見かける。そうなってしまうのもこの舞台の魅力の一つだと感じる。
雑誌のインタビュー等で、「1から10まで伝え切るのではない」「70~80パーセントほどしか説明しない」「観客の想像力で解釈してもらう余白も残している」「100人いたら100通りの考えがある」(※すべてニュアンスです)と神山くんは語っておられた。その余白に自分自身のを投影してしまう人も多いのかな、なんて感じた。少なくとも私はそうだった。
この舞台が、セットも衣装替えも音響照明もがっつり世界観が固められていたら、そうはならなかったように思う。素舞台ならではの余白に、自分自身のあれこれが入り込んでいく気がする。
ただ余白と言っても、セリフや場面転換は超高速。あのテンポ感だからこそ、自分がぐさぐさと刺さる部分が際立ってダイレクトに飛んでくる気がする。
勿論、とことんMとWの二人について考える観劇の仕方も面白い。細かい演出の意図も沢山隠されてるだろうし。それも出来るならばしたい!毎回アドリブシーンも多いみたいでなまものならではの楽しみよね。観れば観るほど人間味があって愛しい彼らにハマっていきそう。私もまた会いたいよ…配信…しませんか…!?
かなり衝撃的な舞台でしたが、私は観劇前に散々悩んだので今は逆に落ち着いてる人です。今はね。またすぐ躓いて悩むかもしれん。いやー、でも、推しを応援してる過程でこんなに人生に向き合えるって素晴らしいことだね?!本当に素敵な舞台をありがとうだよ、神山くん。
【12/17追記】
まず、観劇直後に「2人は子どもがずっと欲しかった」なんて書いちゃったけど、今思うとそうでもなかった気がする…欲しいと思う理由の中に「それが普通」みたいな考えが既に刷り込まれていたというかなんというか…。
観劇してから1ヶ月程が経って記憶もどんどん薄れている。そんな私記憶の中でのMは優しい人。優しいからこそクズなところもあってモテちゃってたんじゃない?…ちょっと思い出が美化されている感じはあるけど。でも舞台の記憶なんてそれでいいよね。そういうもんだと思うよ私は。
Wの思考は、相手に伝える伝えない別として、やっぱり女性という立場から共感するものは沢山あって。でも、Mも分からないなりに寄り添おうとしてたよな。あの時は塞ぎ込んでごめんねって謎にWの立場で思い出を語りたくなるような気持ちになってる今…笑
論文や本を読んだり、転職したり、別れてからはどんどんバカ(劇中の言葉をお借りしてるよ)になっていったり、やっぱり心からWに惹かれていて必要としていたように思う。結果論だけどね。人生そんなもんだよ…正解かどうか、肯定するかどうか、自分たち次第だよね。時は止まらんし過去も変えられないよ。なんて自分にも言い聞かせつつ…。
ここまで、LUNGSやねむのきで色々学んだけども、やっぱり理屈だけでは分かり合えないことだらけだなぁ。相変わらず夫には日々イライラするし。Wじゃないけどよく布団の中でメソメソしてるよ。でもまあ完全には分かり合えなくても、お互いが求めている通りの事が出来なくても、寄り添おうとする気持ちを持ち続けてちょっとした幸せな瞬間を大切にしていきたいな。
子育てもまだまだこれからで未来は不安だけれども、やるしかないという気持ち的な面では前向きに思えてるよ!もう進むしかねぇよ!ありがとうLUNGS!
LUNGS、子を産むか産まないかではなく、持つか持たないかという表現がいいよね。産むか産まないか、だと、全部母に委ねられてしまう感じ…これすごく違和感。2人の子どもなのになぁ。あとこれは直接話と関係ないけど、この前偶然流れてたテレビで精子提供バンクの話やってて、改めて子どもを"持つ"ことの多様性を学んだ。形式問わず誕生する命は全て尊いと思うから、子ども達があれこれ背負わなくてもいいような社会になっていったらいいな。曖昧な記憶からだけどLUNGSの劇中でも、Mが養子をもらうのは嫌だと言ったり生まれてくる子にもし異常があったら…という不安を考えたりお互いの親の話をしたり、様々な問題が会話に出てきたなぁ。経産婦の私、子どもが生まれるまでの話はもう過去のエピソードのようにしてしまいがちだったけど、もっと知るべきこと考えるべきことは沢山あるぞと思わされたよLUNGS。そして環境問題に関してはまだまだ知見広げられてないので今後もっと敏感になっていきたい所存…!