「スリル・ミー」、ただの少年のように(ただの19歳の少年だよ)感情を爆発させる新納彼を初めて見る衝撃も大きいんだけど、スイッチの入った田代私の目からハイライトが消えるのも衝撃がある
目からハイライトが消えるってイラスト表現だけじゃなかったんですね……
戦利品を確かめる新納彼を少し離れたところから見ている田代私が光のない目で茫と眺めていてですね 少し開いた唇から低く深く漏れる吐息の質感が間違いなく欲情なんですよ…… やさしい炎のような受け身のそれではなく、相手に叩きつけて貪る類の欲情
ここから繋がるのはあの低くて抑揚のない「抱きしめてほしい……」だなってすごく納得がいった
ここから幻覚なんですが、にいまりペアは“私”にそういうこと教えて覚えさせたの新納彼な雰囲気するじゃん、公園でのことだったり。“彼”が己の教えたことや提案したことでやがて足元をすくわれるのこのペアの醍醐味だと思う(幻覚) “私”の“彼がくれるもの”へ向ける感情の質量すさまじいから……
成福ペアはそういう年頃になって色々調べたのをお互いで試してみてそうで、広山ペアは山崎彼が教えた気がするけど“彼”が自発的に覚えたんじゃなさs……やめようこんな話……(ここまで幻覚)
「どうせ弟の〜」って叫んで柱に拳を打ち付ける新納彼、表立って苛立ちとしては出してなかった弟への感情が最早かくしようもなく噴出していて憎悪というよりなんかこう、“俺を見て”の印象が先に立ってつらさがあった 本来は情深くて懐の広い、愛を受けて育ったひとの渇きという感じで……
田代私が「僕の目を見て」ほしいのは”彼“だけで、新納彼が“自分をみて”ほしい相手は“私”(だけ)ではなく家族で、なんでかっていうとたぶん“もう持ってる”からなんですよね……“私”は家族の愛に餓えたことがないし、“彼”は田代私の愛に渇いたことがない どうしようもなくすれ違うけど似たもの同士なんだよ二人は……
“私”を突き飛ばして拒絶し柱に拳を押し付けて、背を丸めぎゅっと目をつぶる新納彼、激情を抑えつけて必死に堪えようとしているみたいだった
脱いだジャケットを身体の前にかざす田代私、丸い目に不安やおびえのあるような切なげな表情をしていて衝撃を受けた 気持ちもほしいじゃなくて気持ちがほしいなんだな……?