各作品の感想及び考察
○前提条件
1、2は一人称で3、4は三人称。とりとりさんの作品のほとんどが(体感9割以上)一人称。このことから、とりとりさんの作品は1、2の可能性が高くなる。
○各作品の感想及び考察
1『今晩は』
・感想
お題をシンプルにかつ分かりやすく纏め上げられた作品。
二人とも年相応にはしたないねぇ~~!!!ってなりました。
この後の展開はないんですか!?!?!?
・考察
地の文の三点リーダの多さが気になる。とりとりさんは地の文において三点リーダはほとんど用いない。
二番目に切れた作品。この時点で『とりとりさんの作品=2の作品』であると、一定の確信を得る。
2『あめのたわむれ』
・感想
重い空気の中、胸中でポツポツと呟くようなリズム感が魅力的な作品。
地の文、台詞回しからキャラクターの「生」を一番に感じました。
・考察
地の文のテンポ、会話文の息遣い、これらがどこか肌に馴染むような感じがして、この作品がとりとりさんの作品かなと思いました。
これで間違ってたら割と頭抱えます。有事の際は介錯をお願いします。
3『シードルキス』
・感想
深いアルコールと林檎の香りの中に、情熱的でどこか幼心のような純真さを感じられる。
すなおにえっちだなぁっておもいました。
最後の林檎酒を一気に煽る描写、痺れました。
・考察
反例の獲得に一番苦労した。というより獲得できなかった。色彩描写、溢れる声の表現、もしも「実は一人称と三人称で一本ずつ書きました!」と言われたら信じてしまうレベル。
強いて言うなれば、文章から立ち昇るフレグランスの違い。とりとりさんが自然そのままの華やかさだとすれば、こちらはそれに発酵行程を加えた深みのある香りがする(?)。ただこの違いが一人称と三人称の違いによるものだとなってしまえばそれまで。
いずれにせよ、この作品を書かれた方は、とっても自分好みの作風の方だなぁと思いました。
4『白雨にくちづけ』
・感想
重厚かつ繊細な描写によって、その場その場の情景のリアルが伝わってくる作品。
一番えっちだなぁと感じた作品。
しかもこの二人何歳??事の次第によっては背徳感マシマシマシなんですが……!
・考察
とりとりさんが書いたにしては、全体的に文章が固すぎる。特に導入に関しては、こうした哲学的な入り方をするような人ではないような(『はきとくい』の導入では辞書的な表記をしていたけれど)。
一番最初に違うな、と思った作品。
○総評
四者四葉、それぞれ違いはありつつも、どの作品も魅力に溢れた作品たちでした。願わくば、今後も皆さま方が再びエミひなを書いて下さることを、強く、深く、切実に! 思います。
この度は素敵な企画、ありがとうございました。エミひな最高!