スパイダーマンNWHを観た人が抱くかもしれない疑問について、コミックからヒントになるかもしれないこと:ピーターの記憶を失くした世界とはどういうことか
『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』で世界がスパイダーマンの正体を忘れた…となったけど、コミックでの辻褄合わせはその後かなり苦労することになった。
『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』でピーターの願いを叶えたのは悪魔メフィストだが、代償としてMJと結婚していた歴史/事実が消えることになった。
だが同時に「メフィストと取引した歴史/事実」も消えてしまう。なぜなら、最初からMJと結婚してなければそもそも取引した事実も生まれない。
そこで、新しい歴史では世界からスパイダーマンの正体の記憶を消したのはドクターストレンジ、トニー・スターク、リード・リチャーズの協力による呪文の効果となった。これを語ったのが『スパイダーマン:ワン・モーメント・イン・タイム』
だが、それだけではピーターが正体を明かしたことから始まる展開の余波の説明がつかない。
スパイダーマンがファンタスティック・フォーと行動する際に、「そういえば私たち(FF)は彼の正体を知らない。知っていたはずなのに」という話が出る。その時にピーターが説明したのは以下の様な理屈だった。
ドクター・ストレンジの掛けた呪文は世界中の人に「精神的盲点」を作るものだった。ピーター・パーカーが正体を明かした記録や、スパイダーマンの正体がピーターである証拠は残っている。だが、「精神的盲点」により、そうした証拠を見てもスパイダーマン=ピーターであるという結論の紐付けができなくなるのだ。
ピーターが自分で正体を明かす、あるいは誰かがマスクを無理やり剥がすなどをすると、明かされた当事者又は剥がした当事者のもつ、スパイダーマンの記憶が蘇る。
実際、非常に複雑だが近年でもこれを踏まえた展開が発生してるので、設定としては生きてる。ブラックキャットが「私たちは付き合っていたのに、あなたの顔を思い出せない」という悩みをスパイダーマンに対して抱えていたことを告白している。
MCU版がこれに従うかわからないし、もっとうまい理屈を出すかもしれないが、とりあえずコミックで辻褄をつけた事情はこう。