刀ミュ歌合、桑名江・松井江が顕現する最後の歌で毎回号泣する話。
歌詞!!歌詞が!!
以下、クソほど長文!ネタバレあります!
顕現した男士が最初に歌う時に「我に与えられたのは肉体と八つの苦悩」って歌詞ありましたよね。
あれを聞いてしまったら、もう駄目でした。
号泣してしまった。
八つの苦悩。
何のことか、ご存知でしょうか?
『四苦八苦』という言葉がありますよね。
これ、実は仏教用語で『人間が生まれながらに持ってる苦しみ』のことなのです。
四苦は「生・老・病・死」。
生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病の苦しみ、死の苦しみです。
……ねえ、とんでもない爆弾じゃないですか?
これを持ってしまったという事は、ミュ本丸の刀剣男士は(※全ての本丸でそうだと言うつもりはありません。みんな違ってみんないい)人間と同じものではないとしても病になる可能性があるし、「老いる」という事を苦しみだと理解している。
彼らは何千年も存在できるけれど、それでも確かに鋼はいつか朽ちる。
形あるものはいつか壊れる。刀剣としての寿命は、確かにある。
とてつもない、途方もなく長い時間を持っていても、自分が永遠の存在ではないと彼らは知っている。
その上で、残りの四つは
求不得苦(ぐふとくく)→地位、名声、財力など望むものが手に入らない苦しみ。
怨憎会苦(おんぞうえく)→恨みや憎しみを抱いてしまう、人を許せない苦しみ。
愛別離苦(あいべつりく)→愛する人や友と離れ離れにならなければならない苦しみ。
五陰盛苦(ごおんじょうく)→例え自分自身の心や身体であっても、意のままには出来ないという苦しみ。
(※これは歌詞にも入ってました)
です。
これらを合わせて八苦。
八つの苦しみ。
これはあの子の、と思い当たるものが皆さんの推しにもありませんか?
……持たなくて良かったんだよ、こんなにも苦しいもの。
知らなければ、無垢な魂魄のままでいられた。
これは人間が生まれた時に背負う業だから。
神であり付喪である彼らには、背負わされる必要なんてなかった。
縛られなくて良かった。
青江が言っていましたよね。
人魂……つまり、魂そのものの形をしている方が魂魄は純粋であると。強い念に縛られるほど、魂魄は人に近い形になる……と。
だからこそ先に顕現した刀剣男士達は、あれほど力強く、いっそ荒々しくさえあるほどに歌い踊り、新たな魂を呼んだんじゃないのかと思えてならないんです。
宿れ、宿れや。
祈れや、祈れや。
集えや、集えや。
祝え、祝えや。
こちらへ、こちらへ。
こちらへ、さあさあ。
あの声が強く迷いなかったから、魂は応えた。
皆が叫ぶ「満ち足りた八つ」は、古事記にある火の神カグツチから生まれた八柱の神様の事かとも思える。
……そして、火の神カグツチの死体からも八柱の神が生まれる。
擬えられた、八つ。
歌が聞こえた、呼んでくれた、懐かしくて嬉しかった。
ただ、それだけで。
こんな、八つもの苦しみを引き受けて、生身の体に魂を押し込められてでも顕現してくれたんだよ……。
そしてかつて同じように呼ぶ歌に応えた刀剣男士達は、新たな仲間に何故呼んだのかと問われてこう答える。
共に戦うため。
使命果たすため。
……と。
その答えに納得したかのように桜が舞い散り、生まれたての神様が名乗る。
ここに、共に在るものとして。
戦う「刀剣男士」として。
八つの苦しみを、八つの炎に変えて。
炎の中で鍛えられ産声を上げる「刀剣」として。
そんな重く辛いものを背負わされてしまったのに、刀剣男士達は仲間と新しい仲間を得た審神者を言祝いでくれるんだよ。
あなめでたや、めでたや……って。
目出度や、かも知れない。
愛でたや、かもしれない。
けれど福々と、天晴れと、さながら松竹梅の如しと祝い歌ってくれてるんだよ……。
呼び声を強くするため、歌を捧げた。
本丸の四季、喜怒哀楽、共に過ごした日々の記憶を歌に紡いで炎に投じた。
それが魂を繋ぐ縁にも鎖にもなるから。
道具である以上かつて人の手によって生み出された刀剣が、たとえ八苦を背負っても精一杯笑って泣いて生きる人間の営みをどこか懐かしく好ましく思い出してくれるように。
懐かしい歌が聴こえる、と感じてくれるように。
八苦を背負わせて戦の中へ引っ張り出した事を、それでも顕現を果たしたその後で、呼んでくれて嬉しかったと刀剣男士は笑ってくれるのかと思ったら涙がぼろぼろ溢れてきて止まらなくなりました。
……刀ミュくんはとんでもないものを盗んで行きました。
さにわの涙です……。
皆さんの近侍や隊長、本丸で待っているあの子。その子達もきっとああやって、八つの苦しみを知ってでも応えてくれたんですよ。
どなたか一緒に泣いてください。
お酒でもお茶でもなんでもいいから、お好きな飲み物片手に弊本丸で肩を抱き合いませんか。
私は焼酎ロックでお供します。
明日からの配信、ぜひ八苦の意味を思い出して最後のあの曲を聞いて欲しいです。
ありがとうみゅ。
ありがとうけんらんぶ。
……乾杯!!