各々が戦う理由、鎧武の「誰も見捨てないため」というのが鎧武を体現しすぎていて見てて哀しくなってしまった
誰も見捨てないために彼が唯一捨てたものは「自分がこの世界の住人である」という事実だ
定期的に帰ってきてるからその実感はそうないし、今回の映画でも最後に自分を育ててくれた世界だから危機があれば何度でも帰ってくると言ってくれてたけど、この台詞が「鎧武は慮外の存在」であることを明確に示している
そしてその事実が彼が本当に都合のいい神さまになってしまったということを嫌でも考えさせるのだ
他の人たちは殆どが「人間の悪意」と戦ったライダーたちであり、財団Xが再現できる「科学の延長」と戦い、その後のストーリーを見てもこの世界の住人として地に足がついている
檀黎斗もまた人間を超越し何でもできる万能の存在ではあるけれどどうしてもこの世界に縛られている
対して鎧武が戦ったものといえばひたすら「世界の悪意」であった
大元は全てヘルヘイムという自然、世界の脅威であり怪人も財団Xが科学で再現しようもない「ただの異世界の住人」だった
その結果として鎧武葛葉紘汰は世界から放り出され異邦の存在となり人神となったが、だからこそいつでもどこでもこの世界を感知し必ず「そこに」「必要なもの」を持って現れる。
前回は地に眠るベルトさん、今回はエニグマを見通す目。
彼の平ジェネFINALでの描かれ方は「本編で出てきた敵が出てこない」、それに「ゴーストのように知己のライダーと絡めて描写をされるわけでもない」、という感じでやはり他のライダーとは一線を画している
さて、そこで思うのは今回のある意味メインでもあった映司くんが『都合のいい神さま』ではなくなった存在であることです
対比として強い
1人が手を伸ばすだけでは届かないところに2人で伸ばせば届くかもしれない、手を取りあえば届く範囲は広がり続けると知った映司くんはこの世界にとてもしっかり根付いている
タケル殿と弦ちゃんは言うに及ばず、永夢先生もまたそうである
万丈は誰も見捨てないという言葉をどう受け取ったのであろうか
その言葉には理想と、現実と、そして鎧武を見た全ての視聴者の悲哀が詰まっている