ノーラン監督のインタビューを読んでびっくりしたこと。当初はギブソンのことを燃やして死なすつもりだったらしい
かなり意訳してるけどこんな感じ。
「(脚本を書いている段階では)ギブソンのことを燃やして死なそうとしていたけど、それはあまりに残酷過ぎると指摘されたので最終的にハイランダーズの1人にその案を使うことにした。それを演じたのはブライアン・バーナルだ。彼はかなり魅力的で、なかなかの悪者に見える(つまり、「悪者だったらそういう結末でも残酷だと思わないでしょ?」というノーラン監督の皮肉を感じる)」
ちなみにノーラン監督はこの映画を「中立的なもの」にしたかったのだそう。つまり、主要キャラだけが生き延びてモブキャラが死んだりするような「えこひいき」みたいなことはしたくなかったようで、インタビューを読んでいるとギブソンを燃やす案は「しぶしぶ」却下したように見える。
だけど、ノーラン監督としてはその「中立的なもの」を保つ為には「ギブソンを死なす」という方法が根底にあり、そこは変えたくなかったのだろう。燃やす案を取り止めても結局は違う方法で死なせているし、つまり酷い言い方をすると「ギブソンを生かす気は無かった」と言える。確かに、登場人物が全員無事に生きて帰れたらそれはそれで変だし、あまりに「映画」過ぎる。ギブソンの結末は悲しいけど、これが「ありのままの戦争の姿」であり、ノーラン監督が一番描きたかったポイントなのかな、と…