ションエミのSS以下のSS。なんだかもやっとするエミ。こういうのがあればもう充分です
「ショ……!」
ショーンを見つけ、いつものように元気よくエミリコは彼を呼ぼうとした。しかし知らない女子と何かを話していて、時折微笑んでいる。そんな姿を見て、エミリコはなぜかショーンを呼ぶことが出来なくなってしまった。
(わたし、どうしたのでしょう……。いえ、迷惑かもしれないのでまた後にした方がいいですね……!)
エミリコの胸の内でなにかがざわついた気がした。そして考えとは対照的にショーンへと少しずつ足が動いてしまう。
エミリコに気づいていないのか、ショーンはまだ女子と会話を続けている。すると不意に弱々しい力で服が引っ張られる。なんだろう、とショーンはそちらへ顔を向けると、見慣れた金髪と顔が目に飛び込んできた。
「どうした、エミリコ」
「いえ、えっと……えっと、こんにちは」
いつもの元気はなく、エミリコが居心地悪そうにそわそわとしている。そんなエミリコの姿にショーンは首を傾げた。
「なんだよそれ。エミリコらしくないな」
「いえ、迷惑かなと思って」
「そんなに真剣に話してたか? 難しい話はしてないんだけどな」
ショーンは少し笑って言った。
反対にエミリコは宙を見上げ、自分でもよく分からないといわんばかりに首を傾げる。
(どうしたのでしょうか、わたし。いつもみたいにあいさつをすればよかっただけなのに。なんだかよく分かりません……)
心の中でそう呟いて、しかし次の瞬間には元気に「そうだったんですね!」と満面の笑みを浮かべて言った。