シン・ウルトラマン感想その2
こっからは作中の光の国についての考察になるんですけどマルチバース規模での核爆弾と思しき衛星兵器ゼットンを持ってきたのがゾフィーなのが児童誌ネタであることを差し引いても根っこの設定が別物ですよね
シンウルトラマンでの光の国って環境保護的観念から直接介入はしない主義の大国、くらいの扱いなんですね。宇宙警備隊じゃなくてあくまでもマルチバースの中の一大勢力の一つってだけで、非情な手段だって普通に選択する……マルチバース規模の米国みたいな。世界の警察ではあるけど困ったら核持ち出す映画コンテンツ特有の米国
ウルトラマンとメフィラスが提示してしまった「ベータシステムを用いた人類種の兵器運用」って要するにミサイルの素材に使えるそこそこ賢い新種の猿が見つかりましたとかそういう話で、んなもん放置してたらどんな悪用されるか分かったもんじゃないから核(ゼットン)で消しちまおう、っていう
メフィラスもそういう点ではミサイル猿の自勢力運用がしたいから暗躍してたけど核持ち込んだ光の国が出張ってきたから費用対効果が合わなくなって、結構気に入ってたんだけどなーってなりつつも撤収
価値に気づかずミサイル猿の住む島を猿ごと滅ぼしてリゾート地を作ろうとしたのがザラブで他の勢力より先んじてミサイル猿の養殖プラントを作ろうとしたのがメフィラス
珍しい種だけど利と害を比べて害の方が大きいと判断して核を落とそうとしてるのが光の国
要するにシンゴジラにおける米軍が核攻撃を選択したシーンにおける核を叩き込まれるシンゴジラのポジションが今作では太陽系そのものだった、と
ただウルトラマンがもたらしたベータシステム技術の原案を人類が理解したことで「危険生物ミサイル猿」から「ミサイルの素材になる性質を持ったサルっぽい異星人」に格上げされた、だから本人が言った通り滅ぼしにきたのと同時に人類が「滅ぼした方がいい危険な生物資源なのか、対話テーブルの椅子に座る事ができる相手なのか」を判断するゾフィーは人類を後者だと認めた
というかゼットンという兵器についてそこそこ詳しいだろうウルトラマンやゾフィーですら知らなかった「タイミングを合わせてベータカプセルでぶん殴るとゼットンが即死するバグ」を見つけた人類の評価は良くも悪くも上がりに上がったんじゃないですかね。少なくともシンウルトラマン世界のマルチバースにおいてゼットンは抑止力兵器たり得なくなったわけですし
核爆弾を完全無効化する技術を見出した猿が国を作っていたら人類だって対話を選択肢に入れるし、中にはそんな猿を利用してやろうとする勢力も現れるかもしれない
でもウルトラマンが示した人類の輝きはゾフィーを経て確かに光の国に届くだろうし、きっと新たな脅威が地球に襲来した時に頭の突起を外してぶん投げる新たなウルトラマンが地球に来てくれるのかもしれないねっていう終わり方なんじゃないかなって
それはそれとして完全に兵器として運用されてるゼットン、めちゃくちゃ皮肉効いてていいですよね
ウルトラマンの宿敵として最も有名だとしてもあいつ元々ゼットン星人がけしかけてきた宇宙恐竜、つまり兵器運用されてる生物なわけで
それに平成令和のウルトラシリーズでもメダルやらなんやらでその"力"を利用される存在なんですよね。まさしく核兵器
シンゼットンは完全にただの兵器なので「ゼットン……」って言うのもただの駆動音だし、兵器だから光の国も使う。兵器に善悪は無くて結局使う奴次第だから光の国が使っても問題ないよね!!っていう
それと電動丸鋸装備した長澤まさみといいジャイアント長澤まさみといいパンツが全世界に拡散させられた長澤まさみといい雄叫び上げながらガッツポーズする長澤まさみといいウルトラクンカクンカされた数日風呂に入ってない長澤まさみといい……笑いどころが大体長澤まさみなんだけどこの映画!!!
個人的に一番笑ったのはゴジラっぽい禍威獣が出てきたのとシンゴジラっぽい倒され方した禍威獣が出てきた事ですね
30%シンゴジラくらいなら倒せるんだな人類……ってのと逆に言えば単純計算でもこいつらの三倍以上強いんだよなシンゴジラ……ってので