4話ラストのページで小春とひよりが2人寄り添って眠る帰りの車内と同じ構図を、同話の管釣りにおけるリベンジに挑戦した今回のスローループでも見られて感慨深くなるなど。
前半は前回から引き続きのエピソードですが、後半についてはひよりの誕生日がこの年における釣り初めになるのかなと思っていたのでちょっと予想外。
とは言え今回も満足度が高かった。今回が5巻範囲のラストかな、と野暮ながら推測もしてみたり。
前半の初詣シーンではまずやはり、小春が亡き母親について触れるP78-2と、その次で唯1人ひよりの憂いが表情として描かれている場面が気になるところ。
ひよりが何を願うか聞かれて「何も思いつかない」と答える辺りなんかも、この時のひよりにはどんな憂慮があったのかと想像してみたくなります(材料があれば考察になり得ますが、現状として今回を見ただけではなさそうなので、おいおい読み返すと同時に過去の話も遡ってみるつもり)。
まあ後者は誕生日について考えているだけなどコメディレベルで済む可能性もありますが。少なくとも前者については注視せねばならないでしょう。
あとは釣り針のお守りをもう持っているとひよりに聞かされた小春が「色違いの貝のお守りみんなで買お?」と提案する辺り。ここは小春が皆と一緒でいたがる思いの象徴であろうモノとして指摘しておきたい。
そんな中で恋ちゃんが商売繁盛を願うと語り小春にツッコまれるシーンや、「今日は優しいね」「いつも優しいでしょうが」なんてやり取りをしてる場面もあり、ほのぼの成分も充分。
後半では4話において舞台となった管釣りでのリベンジ。
トリコハルがここまで早く役に立つとは。前話におけるまさかの前フリでした。
小春も釣りに慣れてきたからこそ経験者であるひよりや恋パパと異なり、ある種型破り的な方法として「こはりゅ流」を取り、それが功を奏したのだと言えるでしょう。
今となってはしばしば「型を学ばねば "型なし" 」と言われますが、小春に関しては型と呼べる程度にフライの極意をこれまで学んでおり、その描写がきっちりなされています。
だからこそ説得力は充分。
そして前述したラストの1コマ。ひよりが小春の影響で変わってきたように、小春もひよりの影響が手伝って変わってきたんだな、と改めて感じられます。
だからこそ自ら母親について言及するのが余計気にかかるワケですが……そこらへんはいずれもう少し詳細に見られるであろう嘗ての海凪家における過去を待つばかり。