長い長い長い感想
まずはこんなに優しくて最高のえいがを作って下さった製作陣に心から感謝を…一生ついていきます、という気持ち。
同窓会:
今何してるの?と同級生に詰められた時のみんなの顔芸とサラリーマンヲシテルヨのトド松が最高。突如始まる赤塚ホテルのCMもめちゃ可愛い…咄嗟に即興ミュージカルができるむつご。
何の躊躇いもなく、ニートだよ?と堂々と笑って言える長男がすごく長男でとても良かった。ニートカミングアウトからの、厨房のコックまでが走ってきてニートたちを遠巻きに見るシーンで絶対に笑う。
そこから始まる聖澤DJによるOP最高。手が込んでいる…トト子ちゃんとニャーちゃんのデュエット最高。
あつしくん、ちょっと太った?むつごを庇うようでいて、ナチュラルにちょっと下に見ていて、でも結局良い奴なんだろうなあ感。それにブチ切れるトド松、動きも声も激しくて入野さんは天才だなと思う。
チビ太のおでん屋でくさくさするニート村たち、ここのカラ松くんの作画がとても好きでめちゃめちゃ見てしまう。トド松チョロ松による乳首に刺そうか?尿道に刺そうか?の作画も絶対に笑う。プロレスする十四松とイヤミの動きも大好き。動きが好きすぎて屋台のみんなの語りが頭に入ってこない笑
自宅に戻ってくさくさするニート村たち、松造の灰皿で吸ってる煙草は松造の?灰が長くなっちゃってるから全然吸ってないのか一口とか吸ってやめたのか。何にせよマッチとかも松造が行ったキャバクラのやつっぽくて自分たちのじゃなさそう?で可愛い。
卒アルなんか見ないよ、と足蹴にするトド松と興味なさそうなみんな。トド松くん、それはちょっと言い過ぎなんじゃないですかね?のチョロ松が好きすぎる。そして知ってる松(1,4,5)と知らない松(2,3,6)に分かれるハタ坊と象事件、過去の話として出すならこういう風に知ってる人間知らない人間を出す必要は無いのでは?→知らない松だったカラ松だけの思い出のみでは思い出の世界は構成されていないことの示唆?
そして少し引っかかる、思い出の世界への導入。寝苦しそうなむつごたちと、窓の外で妖しく光る黒猫の瞳。見方によっては音楽も相まって少しだけ怖い演出かなと思った。
思い出の世界 過去との対面:
寝起きのカラ松くんの若干のおっさん感が好き。過去の部屋の風景に驚くむつごと、この机リサイクルショップで買ったんだよね懐かしいってはしゃぐ十四松が可愛い。卒アル引っ張ってきたりとか、十四松は割と当時のこと色々覚えてるor肯定的なのかな?と思った。
君たちの中に、この時代に後悔を残している人物がいる、というデカパン博士。君たち、という引きの画面の中には黒猫もいて、前述の通り後で判明するカラ松の後悔以外にもやっぱり色んな人の思い出から構成されているのかなあと何となく思う。月極駐車場が読めない松、この話題の時に「つきぎめって読むんだ…」ってしれっとした顔で思ってたのかと思うと面白い。
変装下手な4人が可愛い。久し振りのクソップは作画が良くて活き活きしてた。てんてー!!の破壊力すんごい。声が高いだけでどうしてこんなに面白いのか。神谷さんは天才だ。
お兄ちゃんっ子のトド松くんはちゃめちゃに可愛い。カンガルー状態からどうやって迷子になるのか。保護されているトド松を無言で迎えにくるチョロ松兄ちゃん最高。末弟がトイレについてきて、と今でも頼む片鱗が見える。チン毛生えてなさそう→生えてるわ!ボーボーだわ!!の言い方が凄く好き。
頑張っちゃってる一松くんが大変に愛しい。ひたすら話題に笑顔を絶やさず相槌を打つ感じ、大変にわかる、、肩組みハイタッチ自撮り等、無理はしているけどそういう人間関係についていけてるのはドメスティックパリピだからかなと思う。
同じく頑張っちゃってる十四松も愛しい。どう振る舞えば良いかわからなくて、あんな事になっているジュッシがいるという事実が愛しすぎる。18いちまつに対して良いもの見たよハハハ!って笑ってたのに自分の事になると目を瞑って結構です…って言うのとても可愛い。
自分の番になりちょっと逃げ腰のカラ松くん、すぐに取り繕うけどやっぱり過去には引け目があるんだなと思った。
カラオケに連行されるトド松に声を掛ける当時の同級生、ここのもっさりあつしくんが好き。キノコヘアーだから一番最初に見た時気付くのに少し掛かった笑
いなくなった110を探す4人、恥ずかしい過去は見たけど後悔には繋がらないというチョロ松。チョロ松の、率先して自分の気持ちを上手くまとめて言語化するところが好き。
それに対してずっと俯き何かを考え言いたげで、でも言葉にできない次男。自分の気持ちに向き合って言語化するの、勇気もいるし難しいよね…。
おそ松の、わかりましたてんてー!の真似が最高に上手くて面白い。
からのJKトト子ちゃん。図書館で騒ぐチョロ松に「図書館だから、馬鹿野郎、!」と鎮める十四松があまりにも好き。トト子ちゃん、むつごの贔屓目とかなしでやっぱり誰から見ても物凄く可愛いんだな。
JCにゃーちゃんとの対面がエモすぎる。にゃーちゃんの憧れだったトト子ちゃん。大人になってアイドル同士となった今の関係に至るまでで一本映画が作れると思った。
トト子ちゃんはやっぱり人の気持ちがわかってちゃんと悩みも抱えている優しい女の子なんだなあ。私、トト子ちゃんが弱さを見せる瞬間がもうエモエモのエモでダメなんです。最高。
競馬場で全レースの結果を覚えているおそ松、しれっと言っているけどとても凄い。もしかしたら長男、今までの事を何から何まで全部覚えているのかもしれない。必要ないことは言わないだけで。
言いたい事はあるけど、長男とイヤミの競馬を待つカラ松。君のそういうとこ…そういうところが好きだぞ!!自分のアピールはするけれども、ここぞという時に人の事ばかり優先する君が好きだぞ。でもこれはカラ松の長所でありきっと短所なんだな。
思い出の世界 後悔の中身:
周りの人からの情報で、18歳の兄弟仲が悪かった頃を思い出したニートたち。周りの影響を受け、むつごである事に引け目や疑問を抱き始める18歳。部屋で言葉も交わさず、着ているパジャマもバラバラで。そしてこの頃、まだ色も付いていなかったんだなと思った。色違いのパーカー着るようになったのは最近なんだな…何てエモいんだろうか。並びあっては寝なくなった布団で不安そうに起きているカラ松とトド松に目が行ってしまった。
少しセンチメンタルな気分の中、アイスを2人で分ける時4つあれば3つを自分のものにしようとする長男が全員分のビールを買ってくる。おそ松がお兄ちゃんする時って本当に自然に自然にお兄ちゃんをするよね。
過去を思い出したところで、むつごって最悪だったよね!と愚痴る兄弟たちの中、口を噤むカラ松くん。後悔の話を告げようと心を決めていたんだろうけど、次男はやっぱり兄弟の事が大好きなんだなあ。
後悔してるの、多分オレだ。と語るカラ松くんの表情と声、中村さんは天才だと思った。言わなかったわけではなく、言えなかった事をすぐ汲み取ってくれる一松が、ゴメンと謝るカラ松に微笑みかけているのあまりにもエモ…。
手紙の差出人が女の子だとわかるとすぐにいつものむつごになる瞬間がとてもホッとした。
思い出の世界 手紙の中身:
手紙に関する情報収集を始めるむつごたち。トト子ちゃんと一緒にいるドブスがとにかくツボ。ヨーヨーしながらお前ら、鈍感ぜよ!お前ら、敏感ぜよ!のところ絶対笑う。
高橋さんと同じクラスだったおそ松と一松。卒業式のシーンだとカラ松と十四松が隣同士だったから、名前順で2人ずつのクラス分けだったのかな。
松造の思いが切ない反面、空気読めよ松造…の言い方があまりに面白い末弟。家の屋根で騒ぐニートたちのことが息子だとわからない松代がとてもいいなと思った。
18歳の卒業式の日、旅立ちの唄に合わせて蘇る18歳のむつごたちの言葉少ない呼び出しのやりとり。校門からひとりで出て行く高橋さんの姿も見つけた。俯き加減で少し寂しそうに見えた。兄弟喧嘩のシーンはもう何も言うまい…エモモモモ…からの黒歴史予防お兄さんですよ。この入れ方最高だと思った。メリハリがあまりにも凄い。サウナと水風呂って感じ。
黒歴史の予防の仕方があまりにも地味で好き。ナイスナイスナーイス!!手紙を寄越せ!と18カラ松くんに迫るニートたちに、何してんだよ!と18歳の兄弟たちが駆け寄り乱闘が始まるのエモ。
カラ松くんがカラ松くんの手紙を奪おうとするシーンもしかしなくてもちょっとエロくない?声たけーなぁお前!!!はもうアカデミー賞主演声優賞…。煽りで見るいちまつのボンテージのインパクト。
18の自分に往復ビンタをかますニートトド松に向けて、ニートを投げ飛ばす18の兄弟たちがあまりにもエモい。エモいしか言えない…仲が悪くても、ちゃんと兄弟の事が大切なんだね。
18の自分たちに正体がバレ、今まで崩壊しそうで止まっていた世界の崩壊が本格的に始まるのは18の彼らが未来の彼らの存在を認めたからなのかな。
手紙が白紙である事がわかり、オラつきながら付いてこいと啖呵を切るチョロ松があまりにも好き。
思い出の世界 高橋さん家へ:
チビ太、トト子、イヤミを肯定してあげるニートたち。「ヒロイン」だからじゃなく、トト子ちゃんだから可愛いんだというむつごはきっと小さい頃から変わっていないんだろう。幻の一話の姿まで出してきたイヤミオールスター、忘れるわけがないだろうとニートたちに蹴られて元の姿を取り戻すイヤミはもしかしたら自分で自分の姿に自信をなくして見えなくしてしまっていたのかもしれない。
ニートたちから18歳へ贈る言葉は、どれもこうした方がいいと指針を示すものではなかったけど、18の彼らが抱えた不安の全てを大丈夫だからと受け止め、それで良いんだよと肯定した。一期二期と私たちは何度もニートの彼らが将来の不安に揺れ、悩んで、センバツに行ったり地獄へ行ったりする姿を見てきたけど、そんな彼らがはっきりと過去の自分を肯定する姿が、もう……もう…言葉がない…。言いたいことは全部ニートたちが言ってくれた…。正解なんてわからないし、そんなものはないかもしれないけど、それでもむつごが「大丈夫」だと思えたならそれで良いんだ。きっとこれからも、ずっとそうなんだと思った。
高橋さんと出会えたむつごたち、手紙の内容を高橋さんは教えてくれなかった。来てくれてありがとう、一緒に写真を撮ろうと言った。思い出を残そうと。むつごの真ん中で笑う高橋さん。ニートのむつごからは個性の肯定を、そして高橋さんからは「むつご」である事の肯定をされ、思い出の世界は終わる。
これから:
いつもと変わらない部屋で目を覚ますむつごたち、高橋さんを知らなかったはずのカラ松が「同窓会に来てなかったよな?」と聞くことや、卒アルに挟まれていた写真から、18歳の頃の思い出は高橋さんの思い出を含めて肯定されたものに変わっている。
みんなで卒アルを開いて笑い合う姿、過去の自分の真似をして笑い合う姿、落ちた写真を拾った長男の口は「高橋さん」と言ったように見えた。このシーンに、私たちが、そして高橋さんが見たかった全てが入っているなあと感じる。ちゃんと思い出が宝物になったんだね。
大人の姿で、高校の時の制服を着て街を歩き、恐らくかつての自分の住んでたであろう家を懐かしみ、かつての母校を楽しそうに軽やかに歩く高橋さんの姿にじんわりしてしまった。きっともうそれはできないんだろう。そんな高橋さんに、制服姿で大人になったむつごたちが言うありがとう、は黒猫を通してむつごの思い出に干渉した高橋さんのようにむつごが写真を通して高橋さんの思い出に干渉し伝えたかった言葉なんじゃないかな。
優しい優しいえいがだった。
こんな作品のファンになれて本当に幸せだと思っています。