トリロジーを観て。私はなんというか、黎斗さんの根っこの思想は「己のゲームが既存の医療を凌駕する世界」を作りたかったのかなーとか思ってるんですよね。
最後の九条先生の人体組成に、パラポピの『バグスターをつくるぜ!』の技術が使われていた。つくるぜを成立させるにはブラックパラドの存在が必要で、そのためには大我先生が持っていたクロニクルガシャットが必要だった。
でも大我先生は、小姫さん復活のためにしかクロニクルを戦いの場に出す理由が無い(他の消滅者は紗衣子先生側の技術に任せてた、小姫さんだけは自分の責任で復活させたかった)。だから小姫さんを戦いの場に引きずり出すために、飛彩先生vsラヴリカの恋愛ゲーム対決の場を用意して、クロニクルの能力を使わせるために小姫さんを洗脳させていた。
ゾンビクロニクルで復活した消滅者達は、現時点ではバグスターだけど、ゴッドマキシマムのデータを使っていずれ人体を組成出来る。九条先生がそうだったように。そのゴッドマキシマムだって、ブラックパラドがいて初めて創ることの出来たガシャットなわけで。
黎斗さんは最初から、人々を救うためにゲームを作っていた。
でも発言もアレだし行動もアレだし、何より目的のための犠牲がドクター達(主人公側、更には視聴者側)から見るとあまりにも大きすぎるから、黎斗さんの心の奥の奥の更に底にある真意なんて誰にも伝わらなかった。
まぁ伝える気は無かっただろうけど。だって相手はドクター。自分の母親を救えなかった弱者であり、越えるべき壁であり敵だったから。
黎斗さんは、それでも櫻子さんを自分の力だけで救うことは出来なかった。プレイヤーが復活を願って参戦するという道筋しか用意出来なかった。
だから正宗パパ=櫻子さんの夫をゲームに誘ったけど、残念ながら正宗パパは黎斗さんと命の捉え方がまったく違っていた。
もしかして正宗パパにとって黎斗さんは、23話で死亡した時点、あるいは11話で人間を捨てた時点で、最愛の息子というポジションから外れてただの動く物質に成り下がってたのかな。元が息子だから廃棄する責任はあるけど、みたいな。
黎斗さんも「生まれるべきじゃなかった」って否定されて、じゃあ私自身を否定しても最愛の妻を復活させるための装置としてなら必要としてくれるよね、って少しは期待してた部分もあったと思う。
ゾンビクロニクルの全クリ条件がゴッドマキシマム撃破なら、そもそも一般の(=本来戦闘能力を持たない)プレイヤーに全クリさせる気が本当にあったんだろうか。多分無意識だろうけど。
ドクターライダーの中で、目の前で逃げ惑う市民達を素通りして黎斗さんに挑めるのなんて永夢先生と九条先生しかいないわけで、ふたりとも黎斗さんとは因縁が深いんだよね……