HF映画第2章感想。やばかった。最高だった。桜ちゃんのシンデレラコンプレックスとブリキの初恋な。
HF、すごかった。
人は誰しも二面性を持ってるって神谷さんが言ってた。葛藤と決定に至るまでの過程でいろんなキャラの仮面や建前が剥がれ壊れゆく2章の話。
桜ちゃんって何だろう。桜ちゃん信者としてなんかもう10年ぐらい前から桜ちゃんのストーカーしてる私ですら「桜ちゃんって、いないほうがいいんじゃないか?」って思う。思ってしまう。この娘はほんと、利点がない。大事にしなくちゃいけないって思うし私も心から桜ちゃんを愛しているけど全人類を台無しにしてまで選ばないといけない娘なんだろうか?って考える。
生きてるだけで災厄。
下屋さんは桜ちゃんを普通の女の子だって庇ってるが、全然普通の女の子じゃない。見かけだけ。士郎にいっぱいいっぱい嘘ついてたくせに、怖いからお兄ちゃんに嫌なことこっそり押しつけておいて、悲観的で誰かに責められる前に言い訳並べて逃げて、男に組み敷かれても何にも抵抗出来ないとことん弱者で。怒る前に諦める。結果、士郎にも凛ちゃんにも迷惑をかけている。
他のルートを経て、聖杯戦争にどっぷり浸かって、半人前の魔術師(士郎)目線で考えたら、桜ちゃんって必要か????士郎以外のキャラが言うとおり、桜ちゃんは要らない。早く処理したほうが良い。邪魔。いるだけで不幸になる。
話が進むごとに、慎二とか金ピカ様より、ずっと一緒に暮らしていた大事な後輩が一番の起爆剤であるのがわかる。士郎の夢は桜ちゃんに摩耗され、信頼してくれたセイバーは汚染され、愛した後輩がとことん平和を崩す。地獄の状況。
いくら振り払ってもふりかかる火の中「そんなにボロボロになってでも、守らなきゃいけないの?」って思ってしまう観客に士郎は曖昧に笑う。「桜の味方になる」って雨に濡れながら言ってくれる。目を彷徨わせながら桜ちゃんを抱く。
私は士郎がわからない。士郎の気持ちもわからない。可愛くて真っ白なワンピースをわざわざ真冬に着て寒い土蔵にやってくる桜ちゃんも、下着姿で士郎に抱きつく桜ちゃんも怖くて重くて怖くて仕方ないがそんな桜ちゃんを士郎は許す。綺麗だって言ってくれる。そうやっていつだって桜ちゃんだけを選ぶ士郎に、ドン引きしながらも何故か安心してしまう。セイバールートや凛ちゃんルートの士郎だったらここまで出来るだろうか?なんて考えてしまう。
不安だけど、好き。怖いけど、好き。殺さないといけないのちゃんとわかってるのに、好き。
HFの士郎は本当にたった一人を心から好きになってしまったのでは。
ブリキの初恋じゃん。
長々書いちゃったけどHF第2章、本当に心からよかった。影と士郎が相対したシーンで士郎に向けていっぱい真っ黒な手が伸ばされてるとことか、桜ちゃんの頼りない背中とか、窓ガラス割って飛び込んできたスーパーヒーロー凛ちゃん(超かっこよかった)を見る目とか、嫉妬して歯止めが利かなくなって躰で好きな男に迫る狡猾な面とか、他にサーヴァントいるのにわざわざ人間の凛ちゃんだけに襲いかかる影とか、書き出したらきりないけど。本当に可愛くて暗くてとことんどうしようもない桜ちゃんが死ぬほど好きです。
悪夢から覚めた先に大好きな王子様が笑って待っててくれたらいいね。
余談だけど、私は慎二の涙に全く気づけなかった。ああ錯乱してんなとしか思えなかった。神谷さんが言ってたみたいにあの状況で、そこまで見てて、分かってあげられる人っていんのかな。神谷さん以外にいないんじゃね????