映画「#ミステリと言う勿れ」
完全にノーマークでした。めちゃくちゃ面白いです。
久能整君、めちゃくちゃ好きだな……。
・ドラマ版あったの!?
テレビを持たず現代社会から切り離されて生きているとたまにこういう事が起きる。まあテレビがあったとしてアニメとニュースくらいしか見ないだろうけど……。
いや確かに「ガロ君て誰?」「整君の説明なさすぎない?」とは思ったけども。
・予告編から気にはなってた
なんかめちゃくちゃ理屈っぽくしゃべるじゃないですか整君。理系か? って思ったけどWikipediaとかには情報がなかった。
理路整然と相手をぶん殴るのも、やってから「踏み込みすぎました」と距離感狂ってたのを反省するのも素晴らしく我々の仲間感がある。
「子供をスパイにしちゃいけませんよ」がすごく良いのだけれどこれすら伏線なのヤバ……という感じ。
・他の作家の名前を出します
伊坂幸太郎の小説読んでるような、全部のシーンが伏線という恐ろしさを喰らいました。凄いよあれは……。
だって汐路さんの「あの柵脆いんだよね、後で教えとこ」も、気を付けてたら短刀でドスンだったんだろうし。
「子供をスパイにしちゃいけませんよ」が汐路さんそもそもスパイに使われてたし……。
人形の大きさの話で朝晴さんをいきなり釣り上げてるのは「マジで……?」としか言いようがない。
でも確かに、人骨出てきた時に朝晴さんが「じいちゃんに相談した、とりあえずそのまま触れないで」ってのも変な話だなとは思った。警察じゃなくて弁護士なん? とは。
いや確かにあんなサイコだと弁護士できないのでは。
・役者さんたち
汐路さん役の原菜乃華さんってすずめの戸締りのすずめちゃんだったのか。確かに印象に残る声だったな……。
春風亭昇太師匠とダンディ坂野はどこにいるか分かりませんでした。難しすぎる。
菅田将暉君はフィリップの時から好きです。でも「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」でめちゃくちゃ棒読みだったのも覚えてる。フィリップも棒読みといえば棒読みだった。
・おはなし
いやすげーよ本当に。
「殺し合う一族」なんだ、からの「殺し合おうと仕向けられる一族」からさらに「天パがとにかく殺される一族」のどんでん返し返し。畳も大回転です。
疑心暗鬼にさせ、殺し合う雰囲気を作ったのは汐路パパが死んだときにめちゃくちゃ言われたからで、復讐心を子供ながらに持っていた。
でも実際はみんな事故死だった……からのそうじゃないかもに気付く。天パばっかり殺される。天パが何をしたと言うんだ。いや天パが諸悪の根源だったけども。
そりゃ鬼が3人いりゃそうなるわな……という次第。鬼の集いの朗読が出たときには「これ車坂と真壁も黒だな?」とは思った。朝晴さんがあんなに清々しくサイコだとは思わなかった。怖いよあいつ! まあ立派な殉教者に育って……。寒気がするよ。半分こして大きい方をくれる人が優しいとは限らないんです。だって半分こしてる物の事も、あげる相手のこともどうでもよく思ってるかもしれないから。
清々しくサイコなので汐路さんに全部なすりつけようとするのもマジでなあ……後味悪い!! と思ったけど、整君と汐路さんがいい関係になるのかと思ったら「カウンセリングを受けてはどうでしょうか」でびっくりした。確かにそうなんだけども。この答えが出てくるというのは、現代がそれだけ良い方向に変わったのかなとも思います。
というか整君が全部言ってるんですよ。「耐えられないやつは弱いしいらない、という根性論が未だに日本には残ってる」って。まあでもあれでラブストーリーになったら「吊り橋効果じゃない?」とも思う。
・鬼の話をするために、また別の作品の話をする
朝晴さんは悪いことしてると思ってないから罪悪感もない。まさしく彼らは鬼です。
ぶっちゃけ葬送のフリーレンを思い出しました。ネタバレになるのを避けると、とりあえず「同じ言語を操れるだけで思考体系が違うし、感情というものを理解できない。その上で、目的のために的確に相手の心を刺す言動を取れる」みたいな奴らが魔族という形で出てきます。鬼だなあ……。
「自分の役目だった」「君が言ったから信じたんだ」「歴史上みんなやってる」などなど、的確に汐路さんに追い打ちするのもそうだけど、それらが全部悪だと思っていないのがありそうだな……と思います。
でもこの話を知って祖父が断ち切れないというのは、やっぱり鬼の子であることが避けられないということなのかも。お前達は存在してはいけない生き物だ。汐路さんたちは本物の鬼になる前に救われたので、良かったですね。
・総評
で、久能整君って誰だったんですか? で終わるのが面白いな……と思いました。彼氏でもなんでもなかったけど、彼がいなければ理紀之助さんは死んでるし汐路さんも消されてたんじゃないかな……。
中々の良い映画を見ました。
天パの後輩は元気してるかなと、ふと思いました。彼は滝藤賢一に似てるとよく言われてた。というか滝藤賢一出ていたね。お父ちゃんだ……。
・どうでもいい所に気になる人
アメジストのUSBメモリ、内部が青くて「USB3.1じゃん! この時代にあったか!?」と思った。
作中でお父ちゃん達が死んだのが2013年、USB3.1が制定されたのも2013年だったので「当時最新鋭のUSBメモリか……」と納得しました。オーパーツではないようです。