山本耕史さんのヲタクによる映画刀剣乱舞の(偏った)感想
いやほんと開始直後いちばんびっくりだったのが、刀剣男士より先に喋った!!!!こと!!!!
というか刀剣男士より先に顔が映ったし全身も映ったし、えっお先にいいんですか!?もう後半出ない!?くらいまで思いました。
蘭丸「殿!」←映画最初の台詞
信長「何事じゃ!?」←映画始まって二言目の台詞
~城が焼けるよ~
ナレーション「西暦2205年…」
ナレーションより!!!!先に!!!!しゃべってる!!!!
これ「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ
(2007年)」のときぶりのびっくりなんですよ!
このポケモン映画も、アンノーンたちがキャラキャラ言ってるなかで「いにしえの…」っていうトニオ(CV山本耕史)のナレーションから始まって、「?!?!ピカチュウよりもサトシよりも先に喋った!!!」
ってびっくりして、びっくりしてたら終わったというか……パルキア悪くなくない……?パルキアが悪いならディアルガも同罪では……?(何年も抱いている感想)
そんなこんな思ってたら、前半どころか開始20分くらいで出番が終わったかと思った。焦った。もう切腹しちゃったのかと思った。こんなに見たかった、10何年も見たかった推しの切腹シーンあっけなく終わっちゃったかと思った。
でも予告だともうちょい周り燃えてなかった?とか思ったんですけど、不動くんと蘭丸のくだりが良すぎてそれどころじゃなかったです。あんなの見たら泣いちゃうでしょ~~~!(泣いた)
男士たちはいまは主がいて本丸があるわけだけど、男士になる前(刀剣だけの身)だったときの持ち主の死を、2度も味わうことになってしまったのが酷すぎて、なんと書いても軽くなってしまうなと思いながら感想書いてます。
歴史改変を阻止するためにその時代に派遣されて、持ち主が死ぬことが正しい歴史だと、頭でわかっていても、今の姿なら持ち主を守ることが出来るかもしれないのに、こんなに近くにいて、もう一度会えるくらい近いのに、持ち主を守ることを許されなくて、持ち主の死を肌で感じながら目の前の仕事をする。なんて残酷なことだろうと思ってたんですけど、主も「酷なことをさせるようだが」って言ってましたよね。みんなしんどいんだなって。
山本耕史さんが想像の3倍喋ってたはなしなんですけど、みんなびっくりしませんでした!?
えっこんなに喋る?三日月ほとんど信長と一緒だったよね!?
というか、主以外の生きた人間と刀剣男士が直接的な会話をあまりしないと思っていたので(もしかしたら生きた人間からは刀剣男士って見えないのでは?くらいに思ってた)(なので、光秀を信長が襲うシーンの序盤、ぜんぜん身を隠さないのも見えないからいいのかと解釈してた)、普通に会話してお水汲んだり傷癒したりしてるのにびっくりしてしまった。
なので、三日月が無機物っぽい振る舞い(ずっと表情が穏やかで読めない)してたの、すごく良かったです。あの雰囲気のおかげで、最後信長は「目の前にいるこの三日月は、あの刀剣の三日月宗近なのだ」と理解出来たのだと思います。
信長ってわりと超人っぽいというか魔王っぽい描写がされている作品が多い中、三日月という人ではないものと一緒に描かれることで、信長がかなり人間くさく見えてそこもすごくよかったです。安土城自慢してるところとか人間らしくてすごくよかった。この2時間という短い時間のなかで、信長のいろんな面を見せてもらえたのは、対する相手が三日月だったおかげだよなって思ってます。
本能寺を逃れた信長が、光秀に斬りかかる夜の森のシーンで、一瞬信長が刀を振るうのですが、そのほんとうに一瞬の殺陣があまりにも速くて美しくて、刀剣がそこにいる以上信長の殺陣シーン無いかなって思っていただけに泣けてしまった。あのシーンがあってよかった。ほんとうに一瞬なのですが、俳優・山本耕史の美しい殺陣をまたひとつ世に残すことが出来てよかったです。
そう、最後安土城で切腹するとき、薬研藤四郎(刀剣)と対話するシーン、あれがものすごく良くて。「三日月が刀剣の三日月宗近」だと理解したから出来た対話だと思ってます。
なので本来の歴史のなかではきっと無かった場面なのかなと。でもあの場でがんばっていた薬研くんにもあの最期の言葉が届いていたらいいなと思いました。
あと、最後ほんとうはあそこで折れてしまいたかった三日月宗近を、生き続ける道に引っ張っていったのがすごい。すごい。すごい。
映画本丸の、持ち主の最期を側で感じてしまった不動くんや薬研くん、主の最期と共に消えてしまいたかった三日月、三日月がなにも相談してくれない歯痒さを抱えたほかの刀剣たち。みんな苦しい思いを、この短い間にたくさんしたんだなと思ったら心が重くなったりもしたのですが、前の主には現世で家族と僅かな余生を暖かく過ごしていてほしいし、新しい主も週末は本丸で、平日は現世で幼稚園とか行っててほしいです。ラストがあまりに穏やかで、世界中の本丸がこんな風に穏やかに日々を過ごせていることを祈ったりしました。なのでわたしも久しぶりに本丸へ帰りました。(ごめんね)
どこの歴史にも影響しない、「ドロップ、っていうのをやってみたかった」という理由から新キャラクターを出す(パンフレットに書いてありました)、その他いろんな仕掛けがすべて抜群に作用して出来上がっていて、ほんとうに面白い作品になっていました。やすこにゃんありがとう。これからもわたしたちにたくさんの夢をみせてください。
推しの切腹シーンがみたい、と10何年思っていましたが、こんなに優しくて丁寧で、最期を共にする刀にも心を配れる、未来を背負った姿をみせた切腹になるなんて思っていませんでした。ほんとうにありがとうございました。
続編は幕末の刀がメインで、山本耕史さんに続投していただき、今度は土方歳三を演じてもらいたいってわたしの中のわたしが大分裂しながら言ってるので、ご検討のほどよろしくお願い致します。