シンの朕さんの何が尊いって最後に人民って言葉を使ったことだよね…汎人類史の中国は中華人民共和国だもんね…
以降fgo2部3章ネタバレ完走した感想(朕さんべた褒め)
えらい長くなった
個人的に、今回の異聞帯、本当に切るのもったいねーなとしか思わなかったです。
ダヴィンチちゃんが言ってたけど、「ここの異聞帯の人は自分たちが来るまで自分たちが不幸だと知らなかっただろう」という言葉が全てを表してる。
結局人間が求めるところの平和とは戦争とか人と人とがいがみ合いすることがなくなることだから。
そして老いを自覚した頃に死ねることも。少子高齢化とか言ってる昨今見るとうわあ…と思った。
高みに行くため、未来に行くため、シンを切り捨てたけど、マシュも自覚してる通り汎人類史も求める行き着く先はやはり「平和」である。
それを叶えられた暁には、また他の汎人類史と名乗る歴史がこれを刈り取りに来るのだろうか。結局、良くも悪くも変わることを放棄することの難しさだよなあ。
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朕さんと勝手に呼んでる始皇帝ですが、上に立つものの描写としてこれ以上ないくらい私のクリーンヒットでした。
彼は人を愛するがゆえに2200年もの間地球全土を統治できた。
人に考えることや学ぶこと、恋することを放棄させたが、それはいつか来る悩みや絶望からの解脱。
戦うことをやめられぬ韓信には戦いを与えて眠らせた。
武が生きがいだった衛士長には護衛という名目で150年もの間武を教えた。
平和を守るために戦った秦良玉が、平和を訴えて果てるのをみて、全てまっとうしてくれた、とまで言った。
項羽の最期を否定せず、虞美人のあり方を否定せず、どちらも幸せであるようにと弁舌した。
彼は、人を見捨てたようで、誰一人見捨てていない。
一人一人に与えられた個性を潰そうとは決してしていない。
芸術家も連れ帰って(モデルは始皇帝だけど)その技を磨かせた。
彼は、儒学を否定はしたが、詩は最終的に肯定した。
彼は、反逆者に星を落としたが、逆に、全ての土地と人を見守った。
そして最後は、人の肉体を持って、人と朽ちるのを選んだ。
コミンスキャーとやらシンの人々を「家畜」と一蹴したが、私はむしろ「ここまで個を肯定してくれる皇帝もそういないんじゃねーか?幸せものでは?」と思って2部3章やってました。
あと、始皇帝の人の良さというか、上に立つものとしての良さは、いろんなところで滲み出てましたね。
荊軻からスマホを見せられた時、最初はアホだと笑った始皇帝でしたが、やはりそういう人類史を彼は理解しようとした。
祈りも妬みも嫉みも希望もなにもかも排除した平和の世界で、希望や絶望を一人一人持っている世界を想像した。
笑って果てる荊軻に敬意を表した。
殴り合うために肉体に戻った。
自分が先に膝をついただけで負けを認めた。
なんというか、すごいなこの人、と。
それだけでしたね。機械の体でいいから召喚されてくれ…とか思ってたけど、めっちゃ美人さんでてきて私はひっくり返りました。
最後に、人民という言葉を使ったのが一番感動しましたね。
中国の歴史は4000年とか言われますが、その4000年の歴史はほとんど戦争の歴史でした。そんな中国も、果てには中華人民共和国と、人民が共和する国となった。
始皇帝さん、シンは人民のための国になったよ。
最後にストーリー全般の感想を。
fgoは世界史が根底にあるので、この英霊はどの時代のどんな人で………みたいな知識がちょっと必要ですが、シンはプロフィールなんざ知らなくてもその人となりで判断してみろ、って感じがすごかったなあと。(個人の感想)
他の異聞帯、特異点ではやっぱりこういう歴史があって、そのために生まれたサーヴァントで、あの時はこうで………って言う歴史背景ありきのサーヴァントの行動理念、性格って感じのストーリーが多かったように思いますが、シンって割とそういうの少なかったなあと。
説明や解説もあるけど最小限で、人同士の会話から「あ、この人そういう性格か」とか、「あー、そう言う考え方か。そりゃ強いわ」とかを推察できるというか、コミュニケーションだけで個性を立たせようとストーリーが書かれてるように感じました。うん、シンかなり感動したから、多分贔屓目あるだろうけど。
1つめ、2つめの異聞帯にはない平和さで幕引きをしたシンでしたが、その実ものすごい情報量のストーリーでしたね。楽しかったです。
始皇帝欲しいです。中国史勉強しよ…