少し遅くなりましたが「空想庭園依存症」です
まぁかなり自己解釈なやつです
#ケミシス版夜の真剣お絵かき60分一本勝負
これは一つのエンディング、破壊を極めた"少女"の至る終わりのオハナシーー
最初は書くことが単純に好きだった。いろんなオハナシをただ綴って、それで満足だった。でもそれだけでは満足できなくなって、流行りに乗って少し過激なものを書いてみたりして。そして人が集まってきたら、今度はそれらの感想に嬉しくなっちゃってエスカレートして。でもそいつらは流行りに群がってただけで、次第に他所に行ってしまって。残されたワタシはただ呆然と立ち竦むことしかできなかった。でも、まだチャンスはあるって書き続けてた。
そんな日々を続けてやっと気付いてしまった。最初は好きで書いてたと思ってたあのオハナシの主人公も、ちょっとテイストを変えてみようかと思って登場させたころには気に入っていたはずのあのライバルも、ワタシが自らの手で壊してしまった。他のオハナシも、みんなみんな同じ有様でもうワタシには何も残っていない。とっくの昔にお気に入りの羽根つきペンは折れ、それを無理やり握って書き続けたせいで手はもうボロボロだ。それでも、それでも書き続けていたのに、もうダメだと気付いてしまった。書き始めた頃は確かに好きだったのかもしれない、でも今はその最初の想いですら疑わしく感じてしまう。
もうオハナシを創ることはできない。それでも、この"庭園"から抜け出す事ももはやできない。そんなワタシに出来ることは、このやりきれない想いを演説としてばら撒き続ける事だけだ。ペンが残骸と成り果てたらこの声だけで、それも枯れたらこの頭に刺さって抜けない電波塔型携帯音楽再生器(通称;アンテナ)からの電波で、とにかく発信し続けてやる。例えそれがどんなに醜くともひたすら続けるしかないのだ、この身が朽ちるまで。