「ツクヨミガエリ」バレ。自衛求む。
KPとして回って好きだ!と思ったRPまとめ
まあ、蓬沢愛智と蓬沢誠司のパートと出目によるお遊びパートばかりですけど
蓬沢誠司はミステリー小説家の設定のままです。
おそらくシナリオの想定より記憶は多く持っている設定になっています。
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PC「『死者蘇生』をご存知ですか?」
蓬沢愛智「ありませんけど……なんとも、現実的じゃない話ですね。兄の小説の世界みたい。」
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(PCが愛智の退室を促す)
「えっ?俺がいて都合が悪いのですか?」と驚いた顔で自分を指さす愛智だが、再度退室するように要求するならしぶしぶといった様子で了承し退室するだろう。
愛智が退室する直前、誠司が彼を呼び止めて、「……愛智。君は悪くないんだ。ただまだ……ほんの少しだけ、早かっただけの話だ。」と言った。
「大丈夫だよ、兄さん。それなら俺はただ待てばいいんだ。」と愛智は笑いながら答えて、今度こそリビングから出ていく。
(PCが謝る)
蓬沢誠司「……いいえ、いいえ。僕がちゃんと話してないせいなんです。僕が、彼にーー弟に月並みの、静かな日常を過ごさせたくさのあまりに、真実を告げるチャンスを逃してしまったせいです。」
「それはそれとして、実のところ、僕は君たちに協力する理由はないんですが。」と彼は静かに言った。
(PC、我警察ぞを理由にする)
彼はゆっくりと頭を横に振る。
「警察は『死者の蘇り』や『カルト教団』など、摩訶不思議なことに対しては無力なんです。これらの知識を知ったところで、君らの職業になんの助かりもなりません。それどころか、人間としての尊厳を地面に捨て去る道を踏み入れてしまうことになりかねない。」
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(PCがヒュドラの対抗方法を質問する)
「灰色の化け物、ねぇ。僕は直面していないから、この点については持ってる知識が少ないんですが……蘇りの術に使う、灰色の液体はまさにその化け物ーーヒュドラと呼ばれてるだったかーーから所得したのだと睨んでいます。」
「今のところ知っているのは、旧き印は抑止力になることだけです。旧き印が身を守っている間に、化け物……あるいは神に狙われる恐れはありません。」
彼は少しの間を空いて、やがて次の言葉を紡ぐ。
「かの神に真正面から対抗する方法は、残念ながら人類である間は不可能に限りなく近いと考えていいでしょう。」
(PC、神とはなんぞと質問する)
「あの化け物です。人智に越えた、理不尽なまでの強さを持って、人間をもてあそぶ。神と称するには最適でしょう?」彼は楽しげにくつくつと喉を鳴らす。
(PC、怪物じゃんと突っぱねる)
「そうですか。まあ、何も神だからって敬わなければいけませんってわけでもないんですがね」と少々白けた様子に椅子に背もたれる。
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(PC、「本人が復活されただと分かったら危険ある?」「復活した弟は本物の証拠は?」と質問する)
「そういった話は聞いたことありません。元死者の個人的な感情や信念以外、影響がないと思われる。」
彼はまず質問を答えた、それから少し考えたあと、「……そうですね。いくつの例え話をしましょうか。」と言う。
「世界が五分前に生み出されました、今自分が有している記憶はすべて作らされたものだと仮定しましょう。記憶には十年、二十年の記憶がある。なら、その五分以前の記憶は嘘になりますか?」
「一隻の船があるとしましょう。船は年月につれ、部品やパーツなどがだんだんと壊れていき、人はその都度新しい部品に変えました。では、すべての部品が新しくしたとき、その船は元の船と呼べるのでしょうか?」
「自分以外の人間がすべてゾンビだと仮定しましょう。しかし、会話を交わしたらゾンビでも流暢に答えるし、怪我したときゾンビでも痛そうな反応をする。人間とゾンビに違いが観測されない。では、君はどういった根拠を持って、あれがゾンビだと言えましょうか?」
「僕の考えを述べましょう。記憶がある限りその過去は存在すると認識して、すべての部品が変わってしまっても同じ船だと認識して、人間と同じく反応をするゾンビは人間と同じものだと認識しています。」
「すなわち、僕にとっては、その記憶を持って、その反応をする、その体を有している人間こそが、僕の弟です。」
「……それ以外は、重要ではありません。」
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(テーマパークのテロ事件について)
「……そうですね。あれは表向きには『カルト教団によるテロ事件』として片付けられているが、恐らく真相はある教団が『邪神を召喚するためによる生贄確保』だと思います。……まあ、今となっては証拠もなにもないですけれども」
「どの教団がどの邪神を召喚しようとか、どうして化け物が出たのかとか、今の僕にとっては些細な問題でしかないので、それについては完全に分かったわけではないのですが……化け物は実在している。これだけは信じていいものなんです。」
「『それは鋭い角からどことなく現れる。最初は腐乱した死体の悪臭が場に満ちる、続いて暗く青く霧が角から湧き出る、霧は次第に獣の形を成る。その痩せぎすの体からとろりとろりと濃く液体が流れ、地面で黒いシミを作る。口からだらんと管のような舌を垂れ、先端の針にも遜色ことなく、標的の体に向かい貫く。その退廃的な造形をした化け物ーー青き獣は、目標を見定めた後、死ですら阻止するものなく、どこへでも、どこへでもーー』……なんてね。」
「失礼。拙作『青き獣』の一部ですけど、これの元ネタはまさにその化け物なんですよね。……ああ、実際に会ったわけではないんです、どういえばいいでしょうか。そうですね、便宜上『夢で見た』とでも言いましょうか。」
「もちろん僕はそれが夢だと信じる気なんてサラサラないんですけど、だけどそれは現実であったわけでもなく、他人から見たら『夢』としか言えないんですよね。」
彼はにへらと笑う。
「僕は実によく表現できているだと自負していますけれどね。この目で見た衝撃には全然及ばないんですけど。」
「……さて、灰色のヒキガエルですね。僕が『夢』で見たのは『五官がない代わりに、肉のように赤い触手が鼻づらの先に固まって生えていた、灰色がかかった白い油っぽい皮膚をしている巨大なヒキガエルに似た何もの』ですから、それが同じなのかは分かりかねますね。」
「しかし僕が見たあの化け物は……まあ、遭遇しないに越したことないですね。あれらが作った景色は地獄よりも地獄ですので。」
「……ああ、それを元ネタに『月の怪物』を書きました。ご興味がございましたら、ぜひぜひ読んでくださいませ。」
と芝居かかった口調で頭を下げて礼をする。
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(最終決戦後。ノートはファンブル産物)
PC2が観月を自分のほうへ引き寄せた直後、ザァザァと灰色の海が地に伏せた。
その海はやがて小さくなってゆき、完全に消えた。そしてこの場に残されたのは、泣きじゃくった観月と貴方達だけだ。
……捜査した事が全てであるならば、ヒュドラの力を利用して蘇った死者は全て黄泉に帰ったのだろう。
「これでおしまいですか?」林はつまらなさそうに林檎を手で遊びながら声を上げる。
「まあ、フィナーレを見届けましたからよしとしようか。では、私はそろそろ……」
と踵を返そうとしたとき、ふと何か思い出したようにPC1へ近づく。
男とも女とも違う、現実離れとも言い切れる整った中性的な顔つきが、言い難い色香を放ちつつ蠱惑的な笑みを浮かべ、
「忘れるところでした。あれを読み解けるようにしましょう。」
と言いながらあなたがノートを隠し持ってたところへ指を向け、サァと斜めに振り下ろす。
「それでは、また今度どこかで。」
これだけ言い残し、林は革靴を鳴らしながら廃工場から出て行った。
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(エンディング)
事件が終わったーー貴方達がヒュドラの通路を封印したほぼすぐあとの時間で、PC2の携帯には一つのメッセージを受け取った。
蓬沢誠司からだ。
内容は「話がある」といたってシンプル。
それに貴方達はその作家の住所を訪ねると、蓬沢誠司は普通に出迎えてくる。
彼はひどく憔悴した様子で、貴方達を見てゆっくりと話し出す。
「……弟に言われました、『ありがとう』と。」
「そしてこうも言われました、『代わりに終わらせたのだから、彼らに感謝しろ』と。」
「……僕としては、納得がいかないところもありますが。本人にそう言われたのなら、もう、いいんです。」
「ありがとう。」
そう言い終わると、彼はしばし覇気のない目で貴方達を見つめ、「では、これで。」と告げて扉を閉める。
<聞き耳>どうぞ
>聞き耳成功者
「本当に、お人よしすぎるバカだ。」と彼が呟いたような気がする