クロアジ。アジが欲情するときは決まった香りがするんだけど、アジはそのことに気づいてないとかだといい。冬にひっついてくっついてぬくぬくしてたら、ふわっとベッドでよく嗅ぐ匂いがしてきたから、クロはにやっと笑う。
わざと耳にふうっと息かけたり、際どいところに指をかすめたりしながら、その度に強くなる匂いをくんくん嗅ぐんだ。
アジは少しずつ体温が上がってきてさっきまで気にしてなかったクロの手や吐息が気になってきてそわそわするんだけど、気のせい気のせいって読書をやめない。
でもクロの拘束が強くなっていくとちょっとそういうこともしたいな…なんて思ってきて、キスぐらいは…と振り返ったらもうふんふん興奮してるクロができあがってるので、え?なんで?と思ってるうちにがぶりと食われちゃう。
それまでじわじわとアジの知らぬうちに性感を高められていたのがキスで一気にスイッチが入ったから、ぶわわっと広がった快感にへろっと力が抜けて、あとはもうクロの好きなよーにされちゃうんだ。
こういうときは「するのか?」とか「ちょっと待って」とかそういう確認の言葉が出る余裕がなくて、ただ与えられる快楽に「あぁ…」ってはふはふ意味もない喘ぎ声を漏らすことしかできない。
完全に蛇に思考ごと絡めとられて食べられるの待つ状態。
そういう車庫入れみたいなぁ。