ミュージカル『刀剣乱舞』 ―東京心覚―をアーカイブ配信で見て、最後のほうの水心子の砂の柱への語りかけは、観劇に来られなかったファンたちへの言葉なんだろうなと思った。あの放棄された世界って新型コロナに負けた世界なのかな。
「東京心覚」って、初演が2021年3月で、「静かの海のパライソ」が2020年3月に4日間だけ上演されて公演中止になってから、初めての新作……のはず。2020年は中止になったけど、8月11日に「大連演」、「髭切膝丸 双騎出陣2020〜SOGA〜」が2020年8月~10月。「幕末天狼傳2020」が2020年9月~11月。2021年1月は、踊りがほとんどない「乱舞音曲祭」。
いろいろあって、当初の予定とはだいぶ変わったメタな構成になったんじゃないのかね……と想像します。
だから、なんとなく歯切れの悪い「問わず語り」なのかなと。
作中で桑名が放棄された世界で地面を耕して山吹を植えようとするシーンがあるんです。
で、最後の舞台挨拶で桑名が「主、山吹の花を世話してくれるかな」と言うんです。
……いや、ちょっと、まって。
それに「YES」って答えたら、現実の私達があの放棄された世界に住んでるってことになっちゃうよ?
案の定、拍手は戸惑ったようにバラバラ。
あの質問には意図があったのか、それとも何も考えずに単に口がすべっちゃったのか、どっちだろうなぁ。
まあ、メタな話は置いておいて、人間サイドが良かったです。将門、太田道灌、天海。
特に太田道灌は良いおっちゃんだったので、豊前江の行動にはびっくりしたわ。
刀ミュの刀剣男士って人間殺せるんだ……。