8章読了感想です
ネガポジ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!
エンドロール流れ出した瞬間「いいんですか?こんな……」っていうシンプルにキモいオタクの声出ました。つまりは最高でした……
「おかえり、ビリーくん」「……ありがとう、グレイ」に全て詰まっていてもう何も言うことがない……True Friend……エンドスチル見た瞬間「クリスマス読了後でよかった~~!!!!!」と思いました。友情のシンボル、これもビリーくんにとってもはじめてのこと、ですよね。
8章、全体的にビリーくんの声色が固くて、普段彼が意識してつけているであろう大げさなポーズや起伏が伝わってこないんですよね。元々表情の見えない子だから、それが更に不信感を煽るし、隠し事や後ろめたいことがあると印象づけられているな~と思います。
最初に「踏み込まない/踏み込ませない」友人の形としての「ベスティ」を描いておいて、そこからグレイくんにとっての友達のあり方の葛藤に持って行くのドキドキしました。確かビリーくんにとっての友情は「親切を期待する契約」ってどっかで言ってましたよね?モンテスキューからの引用なのかな、あの世界歴史違いそうですけど。それって多分ビリーくんにとっての人付き合いの肝で、生い立ちから確立された生き方なんだろうな~って思います。
ビリーくんもグレイくんも結構相手に「お返し」しようとしている描写が見られつつ、たぶん根っこにおいての「返さなきゃ」の観念が違うんだろうなと見ていましたがここの違いなのかな。グレイくんは相手から受け取った利益ぶん相手にも利益を与えたいプラスのお返し、ビリーくんは相手がこちらに親切にすることで出た損害を埋め合わせたいマイナスからゼロへのお返し、みたいな。そう考えると尚のことビリーくんが「アッシュくんに絡まれるグレイくん」の図に日頃から割って入っていたのは彼のあり方からすれば違和感があるし、彼の生き方からはみ出した余剰ぶんの感情が見える気がしますね。
ところで、ビリーくんがグレイくんに自発的に「家族」の話をしたの、穿った見方をすればそれこそ「全く何も話さないのは不自然」だと彼の培った対人能力では判定したから情報には情報を返した、に過ぎないのかもしれないし、何より嘘を吐くときは本当のことを織り交ぜた方が効果的と言わんばかりの父親周りのフェイクが入っているわけですが、この後のジェイさんとのくだりを見るにそこまで悪く解釈することもないのかなぁ、とぼんやり。「グレイは話しやすい」の言葉の通り、グレイくんに話していいと思ったから少しずつ、様子を見るように情報を小出しにしたのかなあって、「グレイもオイラのこと、嘘つきだと思う?」という臆病な本音にも聞こえるセリフを噛みしめています、
ジェイさんとの「家族」の話のところ、名探偵でのディノさんとの会話を思い出しました。明確な拒絶で、あまりにも冷静に見える感情的な部分の露呈というか。たぶん誰よりも「嘘を吐いているかどうか」「本心はどうか」に拘っているの、ビリーくんですよね~。「やっぱり疑ってるんだ」とか、相手から自分への評価を白黒はっきりさせたがる印象。
あっ噂の人権侵害!(ノヴァ博士のくだりです)
ノヴァ博士の言葉の核、「ヴィクは今、あの研究に心血を注いでいます。それを、こんなところで取り上げてしまうなんてあまりに酷だ」の部分だと思っているのでこの人もなんだかんだマッドサイエンティストの才能はありますよね、という感じ。逆になんでノヴァさん子育ての才能はあるんだろう……。
ジェイさんは本当にそれで丸め込まれてよかったんですか? エリオス世界の法体系と警察組織のことが心配でしかたないんですが……。エリオスには研究倫理の導入が急がれますしプライバシー権の問題もだいぶですよこれ、だいぶ。
「全部バレちゃった」対峙シーン、一気にビリーくんの感情のそぎ落とされた声が際立って、だからこそ「本当に、ごめん……」が刺さるなと。中島ヨシキさん、ありがとうございます。
病室シーンさあ……。ビリーくんの喋り方も仕草もお父さんの真似なんですね。本当に尊敬している人で慕っている人で、ビリーくんより一枚上手の人なんだなって思います。8章前にお父さん周りの事情全部綺麗に予想してたフォロイーさんの観察眼と考察力ほんとすごいな。
8章のアッシュくん名言製造機でしたね。要素的に色んな取り返しのつかなさがあって彼の人格的なところにあんまり言葉を尽くしたことがなかったんですが、たぶん、一本筋の通ったプライドのもとに行動してる人ではあるんだろうな~。
「今更何やってるんだろう」「前ならこんなことしなかった」……ああ、見たいものをくれるなあ~~!!!という綺麗な流れ!本心や真面目な話は「俺」説もたぶんそうだろうな……と……ちょっと脱線するんですけど、普段おちゃらけた口調なのもあいまってビリーくんに「俺」って言われると「うわ……少年だ……」って謎のときめきがあります。
「ビリーくんは、僕にとって初めての友だち……。だから、助けるのは当然……」
もうここでこの言葉が変わらず出ることがグレイ・リヴァースがPC1である所以ですよ。いや違うんですけど、主人公ポジっていうかPC1でしょ?伝わる人にだけ伝わってください。
コレに対するビリーくんが「なんで?わかんない」なのも望んでいたものすぎてスタンディングオベーションでした。もう友だちだなんて思われないだろうくらいのマイナスポイントを稼いだはずなのにグレイくんはそんなこと気にせず思い切り腕を掴んでくるんですよ、逃げられませんよ……。
あとやっぱりグレイくんはアッシュくんのこと、プラスだろうとマイナスだろうと逃れられない存在だよな~ってつくづく。「僕自身がそう決めた」、刻まれちゃってるんですよね。影響受けてるなあ~。その言葉を受けて推進力にしてグレイくん自身の望んだものを掴むために使えるから、安心して見ていられますね。
え、エリオスガバガバ組織ヒーローズ……せめて形だけでも謹慎なり罰くらいはあった方がいいと思います……。
ジェイさん、今回は見守る立場に終始していましたが、たぶんどこまでも誠実な人なんだろうなって自分の非を認める素直さやてらいなく謝る姿を見ていて思います。だからこそ人に慕われるし、英雄適性が高い。でも人として完璧なわけではないし、誠意の形の違う人とはすれ違うこともある。そんな印象です、私は。
ビリーくんをお友達として認知してるジェットくん、かわいいですね。
ところでネガポジかわいい勢的には全然いいんですけど、初めての友だちがビリーくんで、ビリーくんが君の一途で愚直なまでの情にほだされるタイプの子でよかったですねグレイくん。だまされたって構わないは普通に危ういですよ。
冒頭でも言いましたが「おかえり、ビリーくん」「……ありがとう、グレイ」に全部詰まってますほんとに………………。
素顔、本心、全部晒したビリーくんのスチル、ちょっとこれ私が見ていいのかなって気分になりますね。グレイくんだけが正面から見るべきでは?ってなんか謎の羞恥があったしここから先ゴーグルないところ全部若干見てはいけないもの見てる気分だったので「隠してある」ってすごい効果だな……って……。
ゴーグルなし立ち絵本当に童顔で、たぶんアキラくんより大きくてジュニアくんよりは小さいかな?くらい目が大きく描かれているように見えますね。比較対象がこの二人っていうのも大きいなあ。表情が雄弁な子達なので……。ああ確かにレンズ一枚隔てるだけで私たちはビリーくんの表情がちっとも見えていなかったんだなという気にさせられました。
「6つも離れてたら、友だちにはなれナイ?」「そそ、そんなことない!絶対に、ない……!」のやりとり、デジャビュな気がしたんですけど気のせいですかね?君たち今まで逆のやりとりしたことありません?いかにもでしょ、「6つ離れてても友だちになれる」って言うビリーくん。
ビリーくんの「お家に招く」、きっとしてもらって嬉しかったことのお返しなんですよね。グレイくんが今まで「きみに嬉しいことをいっぱいもらったから僕からも少しでも返したい」とビリーくんに親切にしたように、ビリーくんもそういう、プラスのお返しで歩み寄りを、相手を自分のテリトリーに踏み入らせるような選択肢をとるようになった、っていう……と思ってなるほどみんな「ネガポジ尊い」以外の言葉を失うわけだなって思いました。いやあ良いストーリーといいエンディングでした……助演男優賞バディパイセンもありがとうございました~~~!!最高でした!