骨と十字架でこれやばい思想だと思ったのは主人公が述べる進化が行き着く先なんですが、一番こわかった台詞は白い人の「(言葉を使って)名付け、神という概念を生み出した」(リサンの台詞だったらごめん。)
何がこわいかって「言葉を操り」「名を付ける」は創世記で神が人にさせた行いだってところ。
テイヤールが「信仰に矛盾しない」と訴えるヒトの進化を聖書の記述に当てはめながらなぞり、そのまま神の否定に繋げたんですよ。進化論はこういうものだぞって。お前もこうやって信仰を踏み外しているぞ、仮に今はまだ正しくてもいつか必ず踏み外すぞって。
流れがあまりに鮮やかで本当にこわかった。
まあ受け手側の妄想なんですが。
ところで。一幕の会話、これまで発見されてきたヒトや原人の説明に「火を使う」かどうかを入れてるじゃないですか。それもあって火の使用がヒトの定義になりそうな気がしてくるんだけど、聖書には「人だけが火を使う」だとか「神が火を与えた」だとか、そんな記述はないんですよ。それがあるのはギリシア神話。
土の中から発見された生物の化石が火を使おうが使うまいが、聖書における神と人の定義には抵触しない(だから総長もあの会話に積極的に参加してるんだと思う。)