キンプラを受けて十王院カケルが思っていたほどしんどくなかった話
完全なる私見と、鑑賞後友人たちと話し合って落とし込んだ内容です。まだ3回しか見ていないし推敲なんてできない。全部妄言です。
☆前提
キンプラ公開前時点での、キンプリ映画本編ほか、雑誌記事を主とした様々な情報源から導いて、十王院カケルがかなりしんどかった。
・仕事の電話ではとても真面目な口調
・仕事と日常でキャラがかなり違う(仕事の方が本来の性格に近い)
・リアリスト
・手を貸さないと立ち行かないような会社は潰れた方が良いと考えるシビアなビジネスマン
・十王院を継ぐ器になるため、プリズムショーで何か大きなことを一つ成し遂げる必要があると考えている
大方このあたりの情報から、以下のような考えをこじらせていた
・十王院を継ぎまとめ更に躍進させるため、それに伴い上位役職へも昇進するとなると、プリズムスタァとの両立はかなり難しい⇒プリズムショーに選手として関わる期限を自分で設けているのではないか?
・「一男」と「カケル」をハッキリ分けており、カケルは期限つきの青春の名前で、そう遠くない未来「何か大きなこと」を自分なりに成し遂げて期限がきたら、完全に一男へ戻ってしまうのでは?
・大変賢く地に足の着いた考えができるため、夢を広げすぎず、堅実に達成できる目標しか掲げない子。
ここまで前提。十王院カケルがしんどい。
☆キンプラ事実確認
サポーターとしての十王院カケルくん大活躍(時系列順)
①海での練習中から度々スマショを触っている
②プリズムシステムオープンソース化の提案を片手に伍友商事と交渉
③プリズムキングカップで十王院HD提供のプリズムシステムが公式運用される
④シンのショーが終わった瞬間、取引相手(伍友商事情報通信部長:勅使河原氏)へ「シモシモ?てっしー?」と砕け過ぎた口調&あだ名で電話
⑤伍友商事との業務提携が成立、同時にエデロがシュワロに負っていた借金が伍友商事によって完済され、不当に課されていた諸々の契約が破棄される
※caratとsparkについての考察
・carat…上限がある=観客総数のうち何%の心が規定値以上プラスの方向へ動いたかというパーセンテージ
・spark…上限が無い、マイナス表記がある(アレク)=観客一人一人の心の動きをプラスマイナスで表し総合した絶対値
☆確認できた事実から読み取れること(時系列項と番号対応)
・少しずつ仕事を進める堅実院
まず①から、練習の合間に仕事の連絡を取っていることが推察できる。プリズムキングカップで他の選手が演技をしている間はスマショを一切触っていない描写から、急務でない限り練習中にスマショを触ることは考えにくい。堅実に仕事を進めつつプリズムショーへ真面目に取り組んでいる様子が伺えて一男もカケルもかっこいい。
・十王院HDと伍友商事グループの業務提携内容
根幹は前者プリズムショー事業部によるプリズムシステムの提供と、後者情報通信部によるデータのバックアップ。それが②のプリズムシステムオープンソース化、ひいてはオープンソース化で得られるプリズムショー界の隆盛と業界経済の活性化が両企業の利益に繋がることを見込んだ全社的な提携になると推察できる。
・カケルの狙い
もちろん十王院と伍友の業務提携成立だが、その条件の中に、伍友によるエデロの借金の一時的な代位弁済を組み込む狙いもあった(=⑤)。そのためには、今後プリズムショー界の発展にエデロが大きく貢献し得ることを証明しつつ、今のまま金銭的に抑えつけられていては本来の実力が発揮できず業界発展に繋がらないことを示唆し、そして、無理な条件さえ解除すればエデロには確実な返済能力があると伍友に思わせる必要があった。
・業務提携から見るプリズムキングカップ
先述の狙いを果たすために、十王院側はプリズムシステムの公式大会での運用による成果と、エデロに存在する商売武器を伍友へ見せつける必要があった。
前者は観客にも明示されていたcaratとsparkの数値だけでなく、実際のプログラム動作の解説も専門職員によってリアルタイムでプレゼンされていたのではないか。サーバールーム(最後に真田常務が緊急停止装置を作動させた部屋)において数人の伍友側の人間がウォッチを装着しつつ、プリズムショーによって引き起こされる心の動きをどう数値化しているのか、どう処理しているのか等を最終確認。
後者に関しては、ジョージとシンのショーで審査員による技術点とプリズムシステムによる数値に大きな偏りが存在していたことから、システムの信頼性を裏付けるだけでなくシュワロの買収行為を示唆することもでき、伍友側の感情面(正義感や同情)を煽ることに成功したのではないか。また、アレクv.s.タイガのショーについてcaratは明らかになっていないが、sparkでアレク(破壊者)がマイナス値、タイガ(ストッパー)がまずまずのプラス値を出していたことからも、観客心情の忠実な反映をアピールできたと考えられる。
・提携成立のタイミング
ヒロがPRIDEを使ってプリズムキングになるためには、ヒロのショーが始まる前にPRIDEの所有権をエデロ側へ戻す=⑤を達成する必要があった。そのために④のタイミングでの電話がある。シンのショーでプリズムシステムが出したcaratが決定打となり、エデロの今後の返済能力を見せつけられたためだ。電話を掛けてから役員服に着替え、サーバールームへ向かい、最低限の事項を最終確認してからの調印、少なくともここまでをルヰのショーたった一曲中に履行している。かなり危ない橋を渡っているが、この手が最良だったと考えられる。
・⑤について
恐らくエデロの借金は単純に無くなった訳ではなく、返済先がシュワロから伍友商事グループのメガバンクに替わり、数々の不当な条件も取り払われ、「地道に返済していけば完済できる状態」になったと考えられる。
・なぜわざわざ伍友を挟んだのか
前提情報よりカケルは自立できない団体に私欲で手を伸べることは絶対にしない。しかしエデロに存続してほしいという私的な思いは少なからずあり、今後のプリズムショー界・自社含む業界経済のことを考えても今の状態(エデロがシュワロに抑えつけられ満足にスタァ養成ができない状態)は芳しくないはず。
ただ、そこで十王院から金銭援助をしてしまうと、どんなに理由を付けようと「専務が所属する団体を助けるため口を利いた」という風評も含めた弱点が絶対に残ってしまい、自分を攻撃する隙を作ることになるため、第三者からの出資が必要だった。
☆しんどくない院!
しんどくなかった!
・④の電話
お前それ仕事の電話だろ!!砕けすぎだろ!!!カケルも一男もそんなにシビアに分けていない!!!カケルくんの明るさと一男の真面目さが良い塩梅でミックスされている。
・エデロを助けたいと思えること
自力で立ち行かない会社には手を貸さないというビジネスマンの考え方を貫きつつ、自分の大好きな場所を守るため自分なりに動ける方法を模索し、自分の心に真正面から向き合って素直になれた結果が一連の行動と取れる。もちろん、プリズムショー界の発展が今後の十王院HDに好影響を与えることも見越している。ここでも見られる一男とカケルの両立、協力。
・タイミングと信頼
前述の通り、業務提携成立の決定打となったシンのショー終了~何としても間に合わせなければいけないヒロのショー開始まで、恐らく10分前後。少しでも遅れてしまえば、今までの努力が水泡に帰すプレッシャー。シビアなビジネスマンでもあるカケルは絶対に危ない橋を渡らない堅実家だが、ここだけはかなり際どかったのではないか。しかし、カケルは自らの手腕を信じた。
そしてそもそも、シンがあの場で大成功を収めなければ、エデロが持つ未来の武器(=返済能力)を伍友にアピールしきることができず、提携自体が見送りになる可能性すらあった。それでも絶対にシンが成功するとカケルは踏んでいた。シンはプリズムジャンプが跳べるかどうかも分からない状態だったにも関わらず。仲間を信じることは博打じゃないと知っているカケル。もしかしたら、大好きな仲間に囲まれて大好きなエデロで過ごした期間が、彼を変えたのかもしれない。
しんどくない!!!!!!!!!