新宿アサシンこと燕青とドッペルゲンガーの関係について。
「何でドッペルゲンガーなのん?」な部分について本編で触れられてなかったので 多分こういうとこかなってのを軽く語るよ!
そもそも梁山泊の好漢達は皆、招安を受けるまでは全員がお尋ね者なので街に下る時には大抵の人物は一般人や商人の格好をしたり別人の名を名乗ったりと、正体がばれないようによく「化け」る。ただ、彼らの変装はただ着物を取り替えたり、果ては言動がおかしくてバレてしまったりするので「変装・成り代わりとして機能している」かはちょっと疑わしい。
しかし燕青の場合は服装を取り替えるだけでなく、各地の方言を駆使し商人しか使わない符丁を解したり、時には荒っぽく口調等まで変えるという徹底した化けようである。その変装によって相手を欺くことが重要な作戦の鍵になっていることにも注目しておきたい。そして何より、彼が何者かに化ける回数は他の好漢に比べて圧倒的に多い。
(作戦の為に大勢が一斉に変装した時の変装等は除く)
・第72回、李師師に会いに行く場面では張乙の息子の張間と名乗っている。
・第74回では商人に扮して、山東の行商人の訛りで喋っている。張家の長男と名乗る。
・第81回、偽の開封府の公文書を持って城門を抜ける。やはりここでも田舎言葉で喋っている。
・同じく第81回、商人の姿から「遊び人のようなふりをした」格好に着替えて李師師の心を掴んだ。李師師を通じて皇帝に会う場面では、はじめ李師師の従弟というとこで座を同じくすることを許されている。
・第111回、方臘側の葉虞公のふりをして陳将士の家に乗り込み、一家を毒殺。この時は浙江訛りで喋っている。
・第116~119回、名を雲壁と偽り、柴進と共に方臘側に間者として入り込む。長い時間をかけて方臘を信用させ、土壇場で計画通り裏切って梁山泊軍に勝利をもたらす。
尚、山東商人の訛りや田舎言葉、浙江訛り等を使っているが燕青は北京生まれ北京出身なので、本来はその地域の言葉を話していたという設定だと思われる。
このうち、李師師の件と116~119回の件は両方とも梁山泊の行き先を物凄くでっかく変えたので燕青の本当の武器は拳よりも隠密や諜報のこっちなんじゃないかという見方もある。
燕青が『ドッペルゲンガー』と融合されてたのはおそらくこの『何かになりきる』『化ける』『変化自在』の要素を引き出されてるんだろうなーと思ったので過去書いた文章から具体的な例とか引っ張って来てみました。
…原作スキーに刺さる設定をちょいちょい入れてこられて本当にしんどい。ほんとうにしんどい。